2025年12月31日

音楽の「中」へ、音楽の「外」へ

当ブログは2013年5月に始まりました。そもそもはDTMがはかどらない私なんくいが
見切り発車的に始めたブログなんですが、徐々に色んな企画を始めるようになって
きています。その方向性を要約すると、この記事のタイトルになります。

私はDTMerを志している(ちょっと開店休業状態ですが・・・頑張ります)こともあり、
音楽の作りかについては一応それなりの知識はあります。その知識をオープンにする
という目的で、音楽理論などの記事を書いてきました。しかし、これはブログで記事を
書くことで分かってきたことですが、音楽を作るという目的以外にも音楽理論に需要が
あるようなのです。つまり、音楽をより深く理解するために音楽理論が助けになる。

私はそもそも、音楽を作ることと聴くことを分けたくないと思っています。もっと気軽に
音楽を「作る」とまではいかなくとも、その手前の行為に親しむようになってほしいと
思っていますが、それは段階的に進めるべきだろうなあとは考えています。ただ、
音楽理論などで、好きな音楽をより深く「理解」しようとする試みは、その一歩に
なると思っています。

そんな私の思いを今回「音楽の「中」へ」という言葉で表現してみました。人が音楽を
気に入る時は、その音楽の中に入り込むことが出来た時なのではないかと最近思います。
この詳細はいずれ書きますが、音楽の「中」に入り込むことを助けるコンテンツを充実
させたいなあと思います。

それと同時に、音楽の「外」へも目を向けたいと考えています。自戒を込めて書きますが、
音楽好きは音楽を社会から独立させて考えるクセがあると思います。しかし、音楽を
初めとするエンタメコンテンツは、社会と独立して存在することは出来ません。

ですから、私達の好きなものを守るためにも、音楽の「外」にあるものにも関心を向けて
いきたいなあと考えています。と言いつつも、地に足をつけることも大事。音楽好きに
とって、音楽と社会との接点で問題になる主たるテーマは「著作権」と「表現の自由」の
2つのテーマだと考えます。これらについても、このブログの大きな柱として記事を
書いております。

そういう趣旨で展開しているブログです。末永くよろしくお願いいたします。
posted by なんくい at 00:00| Comment(0) | あいさつ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月15日

今週の10曲20250512〜20250518【後半戦】

今週の10曲の後半戦。1曲目は、柴田聡子さんで『Passing』


1月のシングルなので完全にリリースタイミングを逸していますが、それでも取り上げる価値のある1局でしょう。と言っても革新の季節というより、それを経てそういう様々な試みが自然と血肉になってきた時期の楽曲、というイメージが強いです。普通に良い曲として聴ける。そうやって日常に寄り添うように聴き込むうちに私達の耳が変容するような、そんな魔力を持つ曲だと思います。

2曲目は、クジラ夜の街で「夕霊」


一度紹介したことがありますね。その時には非常に課題に期待し過ぎたきらいがあります。それから1年半なんだかんだ言って一度も取り上げていなかったのは、ちょっと彼らへの期待が大きすぎたのかも知れません。ただ、ギターのサイケな色合いや楽曲がしっかりと書ける本格派だということ。そしてバンドの体力も確かなことは揺るいでいないですね。まだ若いバンドですので、焦らずじっくりとディスコグラフィーを紡いでいってほしいです。

3曲目は、STUTSで「99 Steps」feat. Kohjiya, Hana Hope


本当にこの人は外れがないですね。コラボものに無類の強さを持つ彼ですが、これはどちらかというと彼の本線に近いのかな。男女一名ずつボーカルをゲストに迎えてポカリスエットのタイアップに充分すぎる答えをはじき出す。もはや名人芸の域。HANA HOPEさんはめっけもんのボーカリストですね。チェックしとこ。

4曲目は、SIRUPで「RENDEZVOUS」feat. hard life


典型的な失恋ソングをドロップしてきました。ただ最近の表現者ってそういう手あかのついた題材で如何に遊びつつ名曲に仕立て上げるか、というゲームでもしてるんですかね。この曲を聴いて先ず心に引っかかってくるのが「君に全部吸い取れたのさ/まるでダイソン」のようなユーモア感覚。こういう感情にSIRUPさん自身が浸っているわけでなく俯瞰した視点があるというのももちろんなのですが、そういうユーモアにどん底に落ち込んでいる人への優しさを感じるんですよね。

今週のラストはこの曲で。星野源さんで「Star」


ニューアルバムが出るんですね。そのリードシングル的な扱いのこの曲はここ最近の歩みを顔移管できるような素晴らしいチューンなのですが、やはりここ数年の彼の歩みに思いを馳せてしまう曲でもあります。前作「POP VIRUS」は時代と幸福な開校を果たしている時期の祝福すべきアルバムでしたが、その頃からすると孤高感を強く感じる楽曲群という印象があります。それも、背負うものが多くなり過ぎたがゆえの孤独と言っていいでしょうか。それにはファンの期待というのもありますし、シーン全体への責任とか、もちろん産業的なしがらみとかも多くあることでしょう。そこにしっかりと応え続けた、いわば偉業と呼ぶべき作品だらけなのですが、全方位的に完璧に答え過ぎたがゆえに、その中心にいる本人が孤独になるというポップミュージックの逆説を見事に体現してしまっている。ただ、今後の源さんを先に占っておくと、ここから良い意味で無責任になっていくのかなという予感がします。ここまで彼が背負ってきたものの多くを分け持つことが出来る存在もぽつぽつ出てきているように感じます。それくらいにはシーンも成熟してきていると信じたい。
posted by なんくい at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月12日

今週の10曲20250512〜20250518【前半戦】

アップフロントの偉い人って、「まことという不条理と付き合うこと」も研修の一環と捉えているんですかね。

今週の10曲の前半戦。1曲目は、TAIKINGさんで「Everyday」feat. 藤原聡


Suchmosって活動再開していたんですね。それはともかくギタリストのTAIKINGさんは着々とソロ活動を進めておられて、この曲ではヒゲダンの藤原さんとのコラボですよ。リラックスして聴けるミディアムチューンですが、当然達人の二人がガッツリ関わった楽曲だけあって、そこかしこに通を唸らせる仕掛けが施されています。が、そんなことはどうでもいいのでしょうねお二人にとっては。日々の生活の質を少し上げるための音楽。家具のような使われ方をすれば良いと言わんばかりのイージーリスニングチューンにあえて仕上げているんだと推察します。

2曲目は、つばきファクトリーで「悲しみが止まらない」


シティポップという文脈で紹介される80sクラシックスのカバーですね。林哲司さんの代表作ですもん。これは海外ウケを狙っているんでしょうかね。しかも、今回のつばきのシングルとしては、先日紹介した「大好きなのに、大好きだから」はメイン曲でなくて、あくまでシングルとしてはカバー2曲。確かにラジオとかで紹介するにはこちらの方が適しているのかもですけどね。個人的には「大好きだけど〜」の方が5億倍すきですけどね。まあ林哲司さんは大好きなので、これきっかけでつばきが見つかるなんてことになれば良いなあとは思いますけどね。

3曲目は、xiangyuさんで「遠慮のかたまり」


こういう人を才女と言うんですかね。音楽の他にファッションとかアート作品も手がけ、エッセイも書く。音楽は広い意味でのHip Hopと言えるでしょうか。かなり人を食ったようなユーモアを感じさせる楽曲が目立ちます。この曲なんかもその典型ですね。どーでもいい良いなことを歌詞にしているようで、日本人の奥ゆかしさを斜めに斬っているような、でもこういう歌に救われる思いをするような人もいる気がするんだよなあ。歌単体というより、彼女が奔放にかつそうしていることがメッセ維持となっているという面もあるのでしょう。小任的にはもっとエラい人を怒らせるような危険さがあってもいいように感じますが、「ぎりセーフ」なところを狙っていくバランス感覚も、今どきなのでしょう。

4曲目は、おとなりにぎんが計画「雨ふりさん」


この人達も人を食ったような内容を歌にするような人達。ですがもう少しシリアスで、そういう内容でしか表現できないブルーズを抱えていて、それゆえに楽曲によって当たりはずれも大きいという印象があります。この曲は意味なし芳一なないようだったりするのですが、音楽として非常にカッコよく仕上げていて(特にギター!)ちょっと新しい表現の扉を開いたかも知れない。この感じが続くの出れば、かなり面白いおことになると思うのですが、果て・・・?

前半戦のラストは、GRAPEVINEで「どあほう」


グレイプバインは最近ずっと良かったのですが、大人なロックすぎるというか、ロック偏差値が高い人向けの音楽となっていたのですが、今年になって突如時代とシンクロしているかのような曲を連発してきていて戸惑うばかりですわ。前作の「天使ちゃん」で非常にビックリしたのでこの曲はそれほど驚きはなかったのですが、何なんでしょうかねこの突然の狂い咲き加減は? この曲も、細部を拾っていけば難解というか、分かる人には分かるという要素だらけなのですが、全体の仕上がりが分かりやすいというか、ガツンと来るんですね。めちゃくちゃ痛快なんですけど、一体どうしちゃったんでしょうね。謎が深まるばかりです。
posted by なんくい at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする