2017年09月30日

《リニューアル》当ブログはファンキー末吉さんを応援します!

※裁判が終わったのでこの記事の役割もそろそろ終わりです。
 新たな記事を書きますので、しばしお待ちを。

このブログ「ドレミファソランド」は、音楽が好き過ぎる私なんくいが、
音楽に関する様々な事項を取り上げております。色々な連載がありますし、
それぞれが興味を持つことを勝手に読んで下さって結構なのですが、それを
読んで興味を持って頂けるなら、是非とも現状の音楽に関する重要な問題に
目を向けて欲しい。そう願ってトップページを2014年1月からこの形式にしております。
(一審の判決が出るか、別の大きな動きがあるまではこの形です)

それは、著作権の問題です。

最近、TPPで著作権の問題がニュースにもなり、一部でにわかに関心を持たれて
いますよね。この問題についても論陣を張りますし、ささやかながら広めていく
ための試みもやっていこうと考えています。(その件に関しては、本文の末尾を
ご覧ください)それと同時に、著作権に関しては表題にあるファンキー末吉さんの
裁判の問題を、避けては通れません。

ファンキー末吉さんは現在、JASRACに訴えられて裁判で係争中です。その詳しい
経緯は支援の会のHPなどに詳しいです。私もこの問題については裁判になる前に記事
書いています。この問題は、JASRACによる著作権料の分配方法に疑問を持った
ファンキーさんが、その透明性を求めているものです。(それが何故JASRAC側から
訴えられるのかは、HPで経緯をご覧下さい)この問題は音楽文化全体を考える上でも
重要な意味を持ちます。そこで、皆さんにお願いしていることは先ず3つです。
 ・先ずはファンキーさんを支援するための「募金」(こちらに方法があります)
 ・この問題や、関連する問題も含めて深く知ること
 ・この問題を、他の人に伝えること(いろいろあるのでお任せします)
  ↑Twitterなどで拡散するのも一つの方法でしょう。関連記事を私に教えて下さるのも
   助かります。このページの追記などで紹介します。
この記事の後ろの「ファンキー末吉支援者の会」のバナーの後ろの「続きを読む」を
クリックして頂くと、この記事の履歴や関連記事などを紹介しています。そちらも
読んでいただけると、より深く知っていただけると思います。

そして。2014年12月に新たな試みがスタートしました!
RIS:演奏曲目入力システム|日本の音楽これで委員会
こちらの説明の方が分かりやすいかも知れません。
「演奏曲目入力システム」をはじめます!

裁判の支援を通じてJASRACの問題点を告発していく、いわゆる「ダメ出し」的なアプローチ
(これも大事ですよ!)だけでなく、その問題点を補う建設的な試みをしよう、という
新たな動きになってきているんですよ。その可能性についてもいくつか記事を書かせて
頂いています。(追記をご覧下さい)

さらに、この裁判を支援しようということで、私曲を作りました。詳しくはこの記事を
ご覧頂きたいです。
ファンキー末吉さん支援ソングを「みんなの歌」にしてください!


つまり、音楽を使って楽しむことで、裁判を支援するという新しい方法の提案です。何か
面白そうだなあ、という方は是非ご参加ください。それがJASRACや関連団体を変えて
いくことや、ひいては音楽文化をより豊かにしていくことだと信じます。

ついでに。20147年4月から結婚式で音楽をかけると使用料が徴収されます。その経緯などは
このリンクを読んで頂きたいのですが、この事実にも風刺ソングという方法で対抗します。
ISUMマンセー・ソング完成しました!

さらに、TPPの問題についてもこのページから最新情報を得られるようにしておきます。
是非、世論を盛り上げて「著作権の問題」を私たちの手に取り戻したい。そのために
TPPに関連する運動も、非常に重要性が高いと私は考えております。

音楽っていろんな楽しみ方の出来る深いものです。その楽しみを多様に味わっていただく
記事が以下に続きます。その楽しみ一つ一つも、この裁判の問題とつながっていることを
心の片隅に置いてもらえると、大変ありがたいです。

fs_support200_100.jpg続きを読む
posted by なんくい at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 著作権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月25日

「ホンモノの音楽」を体験した!

1か月もごぶさたしてしまいました。こんなに長く空けるのって初めてかな。
まあぼちぼち再開しますので、見捨てないでね。

今日は、一昨日見に行った京都音博について書きますね。忙しい中でもこういうのは
抜かりなく見に行ってるんですよ。たまたま仕事が空いたので、これは見に行かなきゃと。

というのも、岸田さんは今回の音博を「ホンモノの音楽ちゅうものをお見せします」と
言っていて。何でも、フル・オーケストラを招いての歌謡ショーだとか!

いかに今回の試みが革新的かというと、ちょっとタイムテーブルを見て頂きましょう。
タイムテーブル―京都音楽博覧会2017in梅小路公園

ここでの3組目、ブラジルのAlexandre Andrés & Rafael Martiniから早くもオーケストラが
登場。いきなり変拍子という難易度の高いポップスが展開されたのですが、それを力技で
聴き手を説得し倒す。それは、フル・オーケストラを配した立体的な音像(と共にドラムの
屋敷豪太さんの力も大きい。ジャズのセッションみたいなシーンもあったよ)が大きい
と感じました。(今回のようなフルオケ装備の音源。ゼッタイ世界中で売るべき!)

そしてくるりもフルオケ装備版。それはライブアルバム(DVDも出てる)でも披露されて
いるので、目新しさはないと思われるかも知れません。ですが、かのライブ盤でハイライト
だった「ワールドエンド・スーパーノヴァ」が、今回さらに進化していたことからもバシバシ
感じました。当然オーケストラによる音楽としての豊かさだけでなく、エレキギターの官能
もあり、音博では定番となっているジャンルの横断によるスリルもあり。もうお腹いっぱい
と言いたくなるほど豊饒な音楽をたらふく浴びた後、「ここからが今年の音博のグランド・
フィナーレですよ」と。そう、豪華な歌い手を招いての歌謡ショーが始まるのです。

火曜ショーはGotch〜田島貴男〜UA〜布施明〜二階堂和美というラインアップ。その楽曲も
半分ほどくるりの岸田さんが譜面を書き(あと半分はチェロの徳澤青弦さん)という意味
では、これもくるりによる形を変えた「表現」なんですよ。それも、非常に斬新なアレンジの
「接吻」から、UAのアバンギャルドな面をフューチャーしたり、かと思えば布施明さんには
ど真ん中歌謡曲というテイストで聴かせる。最後が二階堂さんというのも凄かったね。映画
「かぐや姫の物語」の主題歌「いのちの記憶」でしんみりさせておいてラストにサンバ調の
「お別れの時」を持ってくる辺り、確かに今年の音博のハイライトでした。

そして、最後の最後に、アンコール的にくるりがフルオケ装備で「奇跡」を演奏し。本当に
奇跡のような今年の音博は幕を閉じました。いやあ、行って良かった。もちろん、以前
記事にしたような試みは今年も行われていて、焼きそばやカレーは大盛で頂けましたし、
お茶も無料で飲めました。

「ホンモノの音楽をお聞かせする」なんて大言壮語だと思う方もいるかも知れません。ですが、
一昨日その場を目撃した人ならみんな思うでしょう。彼らには、それを口にする資格がある。
posted by なんくい at 12:08| Comment(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月27日

8サブスク時代の洋楽楽理解説 #18 Ash「Sometimes」

月終わりの洋楽楽理解説。今月は90年代ものですよ。

Ashは北アイルランド出身のロックバンド。いわゆるブリット・ポップに
位置付けられるバンドですが、そのテのバンドの中でも屈指のソング・
ライティング能力で知られているバンドです。

バンドの魅力は何といってもTim Wheelerの書く楽曲。メロディ・メイカーと
しては当代一といっていいのではないでしょうか。個人的には草野マサムネに
並びうるとまで思っています。(これが最大級の賛辞だということは、この
ブログを読んでいる方ならお分かりでしょう)

今回取り上げるのは「Sometimes」。名盤「Free All Angels」に収められている
バラード・ナンバーです。ただApple Musicにはこのアルバムは入っていないので
2002年に発売されたベスト盤で聴けます。一応公式動画も公開されていますので
貼っておきます。



リード・ギターの切ないフレーズが印象的ですよね。このフレーズはコーラスの
メロディでもあるので、このメロディの魅力がこの曲の大きなポイントの一つと
言えましょう。そこに切り込む前に、先ずはイントロのコードから押さえましょう。

 |AinE・Dmaj7|Dmaj7・AinC♯|AinE・Dmaj7|Dmaj7・AinC♯|
 |Dmaj7|E|Dmaj7|A・E|Dmaj7|E|Dmaj7|A|

なんとこの曲、3コードなんですよ。途中のブリッジで三とか六を使いますが、
それ以外は一・四・五で通す。ただ、イントロで転回形を使ったり、四のコードが
メジャーセブンだったり、それなりに凝っていたりするのですが。

そしてかのリードギターのフレーズ。このフレーズのキモはC♯の音なんですよ。
これがDのコードに対しては(メジャー)セブンスの位置であり(この曲でDの
コードでメジャーセブンを多用するのはそのせい)Eのコードに対しては6度の位置。
いや、13度と捉えてもいいのですが、ここでは6度の位置でドミナントのコードに丸みを
与えていると取りたい。Dの位置でシャープな彩りを与え、Eの位置では丸みを与える。
そんなふうにC♯の音が大活躍しているのがこの曲なんです。

そして、バースに入ります。ここのコードはこうなっています。
 |A・D|E・A|A・D|E・A|A・D|E・A|A・D|E・A|
 |A・D|E・A|A・D|E・A|A・D|E・A|A・D|E・A|

はい。一→四→五→一のコードですね。ただEのコードでは多くで6の音
(これがC♯)が入っていたり、Dでも途中からメジャーセブン(これもC♯)
っぽくなっていたりします。そして、メロディでも最初はC♯の引っかけが
Eのコードで入り、後半では小節前半のAとEのコードで入る、という仕組みに
なっています。ここではDのコードのところでメロディはC♯に行きません。
それはコーラスに取ってあるのです。

そして、コーラスに入るのですが、ここの入りで突然アウフタクト気味に4分の2拍子の
小節が挿入されます。2拍分余計に入る、という非常にトリッキーな展開なんですよ。
この2拍分(半小節分)コーラスの入りがずれることで、コーラスのメロディへの
インパクトが強まる効果(そこに耳がいきますからねえ)を高めています。

そして、その4分の2も含めて、コーラスのコードはこうなっています。
 |2/4E|4/4Dmaj7|E|Dmaj7|A・E|Dmaj7|E|Dmaj7|A|

そして、イントロでリードギターが奏でていたフレーズがコーラスのメロディ。
これは、Eのコードのところでアルペジオ的なフレーズになり、Dのコードで
C♯のワン・ノートで押す、という対比になっています。そしてEのところの
アルペジオも最後にC♯の音になることで、E6の音の丸いニュアンスが出る。

後、言及しておきたいのがDコードでC♯で押していたのが、Eのコードに変わる
ところでG♯に降りるところ。この音は、Eのコードでは3度という安定した位置
にあるのですが、Amajor全体としてはシの位置なので不安定(それゆえ導音になる
わけですけどね)、そこへ完全4度降りて至るという音の動きの面白さも相まって
この箇所のインパクトあります。

今言ったような効果もあって、このコーラスは非常に切なく聞こえる(音の引っかかり
がある分、耳に残るんですよね)わけですが、そこに向けてインパクトを蓄積する
ような楽曲のつくりは見事です。

そして2コーラス目のバースは半分の長さになり、コーラスの後にブリッジがくっついて
きます。そのブリッジのコードはこうなっております。
 |D|E|C♯m|F♯m|D|E|D|D|

なんとここで、四→五→三→六に行くんですね。いわゆるJポップの王道進行ですわ。
ただここも、コードを動かして景色を変える効果だけで、あまり切なさを増すようには
作られていません。その証拠に、ここのメロディはほぼ例のC♯のワン・ノートで押して
いまして、しかもそのC♯の音はC♯mにとっては1度、F♯mにとっても5度とふつうの
当たり方をしているからです。つまりここでは、意図的におセンチ成分を押さえている。
泣きのコードに行きながら、あえてメロディで泣くのを抑えているのだと考えます。

それよりも印象に残るのはここの部分の終わり方ですね。Dのコードを伸ばして、四のコード
で終わるようにしている。それによって、余韻を残すような効果があります。そしてここは、
最後への伏線でもあるんですけどね。

この後、今のJポップの落ちサビ気味にバースが1回繰り返され(2コーラス目と同じ
長さです)そこからコーラスのコードでギターソロが1回、そこから繰り返されて
最後にコーラスが1回。そして、1行返しよろしく、最後のフレーズが繰り返される
のですが、そこでのコードがE→Dのまま、余韻を持って終わります。ここは、ブリッジの
終わり方とパラレルになっているわけで、その辺の折り目正しさも、Tim Wheelerらしい
なあと思います。

Tim Wheelerの書く曲は、コードはシンプルなものが多いのですが、メロディの当たり方が
独特(プラス、音形もしばいばユニーク)で、そこが耳に残るインパクトを生んでいる。
それが、この曲の解析で少しでも示せたのではと思います。

次回もロックものに。Paul Simonの「Kodachrome」に挑戦します。
ラベル:楽理解説 Ash
posted by なんくい at 17:09| Comment(0) | 音楽理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする