2016年01月29日

「初恋の嵐」という奇跡

今日はこの話題から。いよいよバニラビーンズの勝負の時が近づいてきました。
バニラビーンズ存続を賭けたアルバムの全貌判明、3月にはワンマン開催

先ずジャケット! 「これ大丈夫なのか?」と余計な心配をしてしまうくらい
イっちゃってるイラストですね。(特に初回盤)そして「Say Goodbye」で
始まり、実質「Now & Forever」で終わるという、明らかに解散騒動を匂わせる
アルバムのつくりといい、かなり攻めてますね。

このブログとしては、例の「解散商法崩し」を進めますので、これに合わせて
アンケートを作りますので、皆さんご協力よろしくお願いいたします!
(しかしいつの間に残り2476枚になってる・・・でも仕様は変えないぞ)

聞くところによると、りちゃこさんの体調が年始から思わしくないようで。
ひょっとすると去年からの解散報道が、知らない間に心身を蝕んでいたのでは
と心配になりますが(レナさんは時々病んだツイートしますから。タフそうに
見えて弱音を吐かないりちゃこさんの方が却って心配)早くラクにさせてあげる
意味でも、盛り上げていきましょう。発売までスケジュールがタイトですので。

さて、週3回更新となったこのブログ(でもアクセス数が減らないってどういう
こと?)1月最後の記事は何にしようかと。著作権の記事も用意してありますし、
ちーたかさんの年間ベストを聴くのもいいでしょう。しかし、初恋の嵐のアルバムが
あまりに素晴らしかったので、彼らの紹介記事を書くことにします。

初恋の嵐のことは名前は以前から知っていました。下北界隈で話題になっていましたし。
その後、ボーカルの人がいきなり死んでしまって。それでも残された音源を基に
ファースト・アルバムを完成させたという話は、雑誌で読んで知っていました。

彼らの曲を最初に聴いたのは、多くの人がそうかも知れませんがスピッツがカバーした
から。そこで気になって彼らのファースト・アルバムを図書館で借りて聴いたところ
ノック・アウトされました。なんでこんな素晴らしい音楽を何故今まで知らなかった
のだろうと、後悔しましたね。

ところがほどなく、初恋の嵐はじわじわと評判になるようになり、あろうことか残された
メンバーが9年ぶりに集まってライブをするのだと! そして名盤「初恋に捧ぐ」が
未発表曲を加えてリマスタリングされリリース。これは、その時に公開された(昔の
レーベルが公開した)彼らのデビュー曲です。


ほらほら。これを聴いて頂くだけで、彼らが奇跡のバンドであることが少しは
感じ取れるのではないでしょうか。楽曲の良さもさることながら、ドラムはミディアム・
テンポの8ビート、ベースはルートを8分弾き、ギターはコードストロークだけなのに
そのアンサンブルだけでこんなに心揺さぶられるとは!という正しくバンド・マジック!!!

そしてこのたび、その初恋のアルバムのセカンド・アルバムがリリースされるんです。
初恋の嵐、13年ぶりNew ALのティザー映像公開&トータス、斉藤和義らコメント
これも、亡くなった西山さんのデモ音源が去年になって見つかったそうで、
それをもとに完成させたんだそうです。ボーカルも西山さんのものが5曲、
ゲスト・ボーカルが3曲、残りのメンバー二人が1曲ずつ歌っています。

アルバムのティザー映像も公開されています。


これを聴くだけでもかなりイイ感じだと思いますが、アルバムはこんなもんじゃないから!
もっともっとスゴイ、年間ベスト級の超名作アルバムだったりするんです!!!!!

彼らのドラマとかこのアルバムの経緯とかも、アルバムを聴くと吹っ飛んでしまう
くらい。もちろんアルバムにやられた後に、このアルバムの背景に思いを馳せて
奇妙な感慨に囚われてしまうわけだけれども。

ただ私は、このアルバムは音楽の神様からのプレゼントのようなものだと考えるように
なりました。だって、メインのソングライターの死去から13年経ってるんだよ! それが
未発表曲のデモ音源が見つかり、再評価の機運の中で残されたメンバーがちょくちょく
集うという事態になっており、そこからアルバムの完成にこぎつけるなんて!!!!

世界的に見れば、ビートルズやクィーンのようなケースはあるけども、それは既に名声を
得たアーチストがおまけのようにリリースされるものでしょう。この人は1stが出る頃
には既に世にいないですから。しかもそこから13年で2ndが出るなんて他では聞かない
話でしょう。まさに、音楽の力が招いた奇跡でしょう。

このアルバムの後、初恋の嵐がどのようになっていくのかは分かりません、例えばフジ
ファブリックのように、残されたメンバーが歌う形でバンドが続くこともあるでしょう。
(その意味で、今回山内さんのゲストボーカルは感慨深い!)あるいは今ライブでゲスト
を迎えてやっているので、その形もあるのかも知れません。西山さんの手によらない新曲を
やる気があるのか、果たしてそれをやって意味があるのか、とか色々思うことはあります。
ただそこは、二人のメンバーが選ぶ道を、微力ながら応援したいと考えています。

このアルバムが音楽の未来にとって、どのような意味を持つのかは今は分かりません。
ただ今は、このアルバムという奇跡を、一人でも多くの人と共有したいと思います。
ラベル:初恋の嵐
posted by なんくい at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月27日

表現の力の根本をさぐる

表現の自由と差別の連載です。去年は新「表現の自由」への道と題して
新しい考え方を深めていったのですが、今年もその延長線上に立ち、
さらにディープに進めて参ります。

今年は、先ず当面は表現の力について考察を深め、その上で表現規制の問題について
新しい観点から考察していく予定です。さらにその先に、その考察を差別の問題に
広げていく構想がありますが、それについては今はまだ詰めておりません。連載を
進めながら考えていこうと思っています。

さて今回はそのイントロダクションです。このブログに来られる方は、音楽好きの方が
多いでしょうから「表現の力」と言われても「何を今さら」と思うかも知れません。
しかし考察を深める際に必要ですので、今一度立ち止まって考えてみましょう。

表現の効能とは「現実世界にないものを作る」と言うことが先ず挙げられましょう。
現実では行けないところを旅したり、現実には出来ない体験をしたり、現実では
あり得ない光景を見たり。どのような表現にもある種、現実へのアンチテーゼという
面があるのだと考えられます。

では、表現が現実にないものを作り出すことで、どんな作用をもたらすのか。
これには二つの側面があると考えます。一つは現実からの逃避としての表現、そして
もう一つは未来の先取りとしての表現です。前者は説明の要もないでしょう。
これは表現を受けとる側だけでなく、表現を作り出す側にとっても言える話でして。
現実の生活で満たされない思いを、表現の中でなら花開かせることが出来る。ですから
いじめに遭っていたり現実世界で負け組に位置づけられたリする方は是非表現の世界に
参入してほしいなあと思うわけです。

もう一つの「未来の先取り」というのは、一番分かりやすい例はSFですかね。こういう
ことがあったらいいなあという人間の願望が、新しい技術や科学的知見を作り出すという
例は枚挙にいとまがありません。それらは、先にフィクションが未来へのビジョンを創造し、
そのヴィジョンを先に頭の中に共有されることによって、それが問題意識となり、現実を
変えるエネルギーとなるのでしょう。

あるいはルネッサンスが近代の暁と言われる所以もそこにあるのだと考えられています。
ルネッサンスあるいはその後のロマン主義が指し示した新たな人間観が近代的な個人主義を
用意したというのが定説でして。これも表現の未来先取り機能の表れとみて良いでしょう。

フィクションというのはこのように、現実を補完するという社会的機能を持っていると
言えるのですが、それは別の側面からも考察することが出来ます。それは「価値の転倒」
もう少しマイルドな言い方に直すと「現実とは異なる価値観の創造」という側面です。
(ここからが、この記事の要旨にあたる部分です)

表現の世界では、しばしば価値の転倒が行われます。現実世界では正しいとされるものが
間違いであり、間違いであるものが正しくなったりします。それは、世界観の創造という
レベル(例えばSFなどでそのような世界を作るような)から、文字通りの評価のレベル
まで、様々に起こります。現実では最低であるものが最高になる。このブログでもしばしば
用いますが、現実ではけなす言葉で褒めたりします。「サイテー」とか「バカバカシイ」とか。
そういう言葉遣いをすること自体が、表現の世界で価値の転倒が起こっていることの現れ
だと考えられます。

音楽の世界でも、丁寧に構築された完璧な演奏よりも拙い演奏の方が人の心を打つ、なんて
ことが往々にして起こります。そのような不思議なことが起こるのが表現の面白さであり
難しさでもあるのですが、それは芸事一般に「価値の転倒」というものが起こり得るという
現象が、そういった難しさ(=面白さ)の源泉なのだろうと、私は考えています。

これからしばらくは、この連載で「価値の転倒」というものを深めていきます。それが、
どのようなレベルで起こるのか。それがどうして起こり得るのか。それを、色んな事象を
考察していこうと考えています。次回は、お笑いについて考察します。
posted by なんくい at 17:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 表現の自由と差別 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月25日

クリシェを使いこなそう#1クリシェの紹介

週3回になり、書く内容を絞らないといけなくなっているなんくいです。

そのおかげか、以前なら簡単に大騒ぎしていた内容もスルーしがちになってます。
例えば、我らがNegiccoにもニューシングルの情報が入っていますが、今のところ
発売日(3月29日です)しか分からないので。「今回は一番忙しい時期になるので、
フラゲ日か発売日に手に入れるにはAmazonを使わないといけないかなあ」とか考える
だけで、これは詳細が分かってから大騒ぎすればいいのでしょう。

あるいは、先週大騒ぎだった小沢健二のツアーの情報。
小沢健二が5月よりツアー「魔法的」開催、少人数バンド編成で全国巡る

これを読むと、どうやら新曲というのがスゴイことになってるらしい、ということで、
いよいよ本格始動の様相を呈してきているのですが、私見ではまだ7割くらいの試運転
ではないかと。いずれにせよ、曲を聴かない限り大騒ぎは出来ません。
(入ってくる情報はイチイチ面白いんだけど)

後は、これは音が貼れるぞ。(いつの間にか紹介コーナーになってきてる)サニーデイの
新曲。Negiccoのかえぽやリリスクの清水裕美の出演でMVが話題になっています。


これを聴くと「だいじょばない」丸山くんは果たして参加してるのか(ドラム打ち込みっぽい)
とか心配な面もありますが、純粋に曲として聴けば安心のクオリティ。ハイファイな音像や
楽曲のほの暗さなどは「MUGEN」の時を彷彿とさせるなあ、という古参ファンの感想です。

他に気になる新譜はいくつもあるんですけども、最近サブスクを初めてアーカイブ・モードに
入りつつあったり、久々に本格的な創作モードに入ったりで、その辺はぼちぼち、ですね。
でも面白いものは随時紹介していくつもりです。

さて、1月も後半に入ってようやくコード理論の連載の新年一発目wwです。いや、パソコンが
変わった影響で譜面が作れなくなったという問題があったのですが、解決したので再開します。
今年はクリシェを使ったコード進行をどんどん紹介していきます。

クリシェというのは、文字通りの意味では「常套句」なんですけども、コードの世界では
「半音ずつ下がって(上がって)いく音列」を指します。どうやら、同じコードを続ける
際に、装飾としてこのような音列を慣用的に用いたことが語源となっているようです。

ということで、半音で動いているもの、となるとクリシェには膨大なバリエーションが出来て
しまいますが、その中でも典型的なものと、その変形とをここでは紹介していきます。

先ずはトニック。一の和音を使ったクリシェから始めますね。先ずはCのコードを続けながら
コードの上にCの音から順に半音ずつ下げた音を加えます。
cliche001.jpg

cliche001.mid
cliche001.dms
(繰り返しになりますが、譜面にあわせてmidiファイルやDominoファイルをつけてます。
 特にDominoファイルはダウンロードしてDominoで開けてください。1つ1つの音を
 確かめながら響きを聞くことが出来ます。鍵盤のない方にオススメ)


少し楽譜のレイアウトが変わってますが、気にしないで頂ければと思います。
このコードですが、だんだんヘンな感じになってきますよね。4小節目でかなり残念な
印象を残してしまうコードです。

あるいは、このクリシェの装飾音をベースに置き換えるという手もあります。
cliche002.jpg

cliche002.mid
cliche002.dms

これもやはり4小節目で残念な感じがしますよね。そこで、4小節目を少し変えてやります。
cliche003.jpg

cliche003.mid
cliche003.dms

どうですか。いきなり「使える」コードになったでしょう。4小節目をクリシェで降りてきた
Aの音のメジャーコードに変えてみたのです。すると1〜3小節目で少しずつ和音が不安定に
なってくるのが4小節目にいきなり明確な方向が与えられて、カタルシスがあるのです。
「明確な方向性」とは、このAの和音はDm(二の和音)の副五なので、次にDmに行こう
とする方向性を持つようになる、という意味です。クリシェと言われるコード進行の典型が
このコードでして、ポップスでは非常によく用いられています。

あるいはベースをCに固定する方法もあります。
cliche004.jpg

cliche004.mid
cliche004.dms

こちらは一番上の音がC→B→B♭→Aとクリシェになっています。これも4小節目をAにすることで
非常にスッキリしますよね。こちらもよく用いられるコードで、典型例のその2と言っておきます。

ということで、これからはこういったクリシェ進行を紹介していくことになります。先ずは
今回例にした一の和音から始まるクリシェのバリエーションを、次回以降見ていくことにします。

コードの連載、もう少し頻度を上げますので、楽しみにしておいて下さい。
posted by なんくい at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コード理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする