2016年03月30日

ハーモノグラフから「見える」こと#14 3倍音・5倍音の平均律

順調に行けばそろそろネットにつながっているなんくいです。その間もいろいろ
ありましたが、落ち着いたらその辺も記事にしていきますね。

今日は以前に紹介した3倍音・5倍音の模様を、平均律に変えて見てみようという
企画です。平均律って何ぞや?という方はこの記事をご覧ください。むしろ今は
midi音源にせよだいたいの機器で平均律を用いていますので、こちらの方が現代的
と言えるのかも知れません。

これまでのパターンだと、平均律は位相が微妙にずれるために、複雑な模様になりました。
それも、5度だと大きくはずれないのですが、3度は結構ずれていましたね。それで
考えると、今回は5度の1オクターブである3倍音は大きくずれず、5倍音で大きく
ずれるだろう、という予想がつきます。

では早速模様を作っていきましょう。本日もコチラのサイトにお世話になります。
では最初は、直交で位相がずれていないものを選びます。振幅比を同じにします。

3倍音平均律・直交位相同じ・振幅比1

5倍音平均律・直交位相同じ・振幅比1

予想通りです。そして、5倍音のずれ方がやはりカッコイイですね。

今度は位相をずらしてみましょう。

3倍音平均律・直交位相ずれ・振幅比1

5倍音平均律・直交位相ずれ・振幅比1

これも、図形がシンメトリーにならないところに魅力を感じます。5倍音も興味深い
ですが、シンプルな3倍音も、シンメトリーにならない魅力が際立っているように思います。

今度は回転に行ってみましょう。先ずは同方向です。

3倍音平均律・回転同方向・振幅比1

5倍音平均律・回転同方向・振幅比1

これも5倍音が美しいですね。やはりずれが大きいのと、元々の図形が魅力的なのとで
興味深い模様が出来るのでしょう。ある程度複雑でないと、人は美しさを感じないのかも
知れません。

3倍音平均律・回転同方向・振幅比2

5倍音平均律・回転同方向・振幅比2

振幅比を変えても、こんなところなので、次に行きましょう。回転の逆方向です。
花びらのずれ方に注目です。

3倍音平均律・回転逆方向・振幅比1

5倍音平均律・回転逆方向・振幅比1

これも、ずれが大きい5倍音の美しさが際立つ結果となりました。
振幅比を変えても、魅力は変わらないのではないかなあ。

3倍音平均律・回転逆方向・振幅比2

5倍音平均律・回転逆方向・振幅比2

3倍音平均律・回転逆方向・振幅比1.5

5倍音平均律・回転逆方向・振幅比1.5

3倍音平均律・回転逆方向・振幅比0.5

5倍音平均律・回転逆方向・振幅比0.5

3倍音の微妙なずれに魅力を感じる部分もありますが、5倍音の美しさの引き立て役に
なってしまっている印象を受けます。

ハーモノグラフ、面白いですね。1オクターブ以上の音程をこれからも見ていくことにします。
posted by なんくい at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月28日

「バニラビーンズV」より「Say Goodbye」楽理解説

これから「バニラビーンズV]より5曲楽理解説していきます。ファイブだから5曲、
ということでなく、色々いきさつがあるんですけどね。その際にはあまり力になれなかった
けども、あれを達成してヘンに中だるみになってしまうのも良くないので、今一度バニビを
推すために、頑張って記事を書きたいと考えております。

今回楽理解説する「Say Goodbye」はアルバムの1曲目に入っているナンバーでして。
これがいつものバニビ!! もちろんイイ意味で、ですよ。運命のアルバムそして
エイベックスに移籍してどうなってしまうのか、など色んな邪心をもって聴いてしまう
そんな気負いを上手にいなしてくれる、そんな軽やかなナンバー。救われましたね。
いいじゃんこれで!と思いましたよ。

この曲を作ったのが見優さん。1stの「Winter Has Gone」の作曲や2ndの後半曲の
アレンジなどを担当された(ということは名曲「おやすみ」のアレンジャー!)古くからの
バニビを熟知されている方。そんな方が、苦境にあったバニビに久々に楽曲提供したのが
保守本流の、いわば原点回帰と言えるナンバーなんてサイコーじゃないですか。

いきなりサビの歌始まり、それもお二人の声(もっと言うとブレス音から!)で始まり、
そこに柔らかなアコギとコーラスが入る。そのサビも後ほどコードは見ていきますが、
後半部分だけをサラッと聴かせて、サビ終わりでドラムが入る、という素晴らしい
オープニングだと思いませんか。

一応、イントロのサビメロのところから、イントロにかけてコードも拾っておきますね。
 |A♭|B♭|E♭・GminD|Cm・E♭inB♭|A♭|A♭|B♭|B♭|(ここまでがサビ)
 |A♭|B♭|E♭|Cm|A♭|A♭|B♭|B♭|

これ、イントロのサビメロと、その後のリズムが入ってからのイントロとほぼコードが同じ
だということに気づきますか? 後の本サビではもう少しコードが動くのですが、この、
四→五→一→六〜というコードがこの曲の基本線だということ、なのでしょう。

そしてAメロ。爽やかな風のようなメロディで、レナさん〜リサさんとソロのリレー方式
になっているのですが、ここ、レナ・パートとリサ・パートでコードが少し違うんです。
 |E♭|E♭|A♭|A♭|E♭|E♭|A♭|A♭|(←レナ・パート)
 |E♭|B♭|Cm|A♭|E♭|B♭|A♭|A♭|(←リサ・パート)
いかがでしょうか。ここ、お二人の歌ってるメロディは一緒なんです。歌詞が違う
ので、一部細かい音符の変化が起きていますが。それよりも、同じメロディで
コードが違う、その違いを味わうことが出来る場面なんですよ。

レナさんのパートは一と四の和音で行き来している、割とコードが動かないつくり。
一方リサさんのパートは一→五→六→四と比較的変化に富んでいる、動くパート。
この違いにお二人のキャラの違いを読み込むのは深読みでしょうが(それもまあ楽しい
ですけどね!)曲のつくりとしては、後半に変化をつけていることで、曲がイイ感じに
動き出す効果を生んでいます。(リサさんのパートでは3度上にハモリがついています)

そしてBメロ。先ずはコードを拾います。
 |Gm|Cm|A♭・A♭/B♭|E♭・GminD|Cm|Gm|A♭|A♭|B♭|B♭|
三の和音からのマイナー展開です。前半は三→六と進んでいるのが後半は六→三と
逆になっているところが、芸が細かいですね。

ここはアレンジが素晴らしいなあと思います。よく聞くと、うすくコーラスが入って
いるのに気づくはず。それが絶妙な効果を生んでいると感じます。

そしてサビ。ここは先ず、サビメロの素晴らしさを解説しましょう。先ず最初に
「Say Goobye」のところのメロディですが、B♭→Cへと9度も跳躍してるんですね。
ここが先ずポイント。そして、そのメロディがリフレインされるのですが、そのされ方
もポイントだったりします。1回目はサビ前の3拍表から(いわゆるアウフタクトですね)
始まり1小節目の1拍目で終わる(ここのB♭の音が、コードのA♭に対して9度で当たってる)
のですが、2回目は2拍裏から始まり4拍裏で終わる。つまり半拍すれているんですよ!

それに続いて似たフレーズが展開されますが、こちらは2拍裏から始まるのは2回目と同じ
ながら、今度は8分音符で刻む(そうすると3拍裏で終わる)という変化があります。
そして次のフレーズは1拍表から始まるのですが途中でシンコペーションになって4拍裏で
終わる、というつくりになっている。つまり、表拍と裏拍を織り交ぜながら変化に富む
リフレインになっているんですよ。

コードはイントロのところで紹介したのとほぼ同じなのですが、
 |A♭|B♭|E♭・GminD|Cm・E♭inB♭|A♭||B♭|E♭|B♭min7・E♭7|
 |A♭|B♭|E♭・GminD|Cm・E♭inB♭|A♭|A♭|B♭|B♭|
8小節目に展開されるセカンダリー・ツー・ファイヴ(当ブログでは副二と略称してます)
のコードが心地よいですね。そのコード感を強調するかのようにきれいなコーラスが
被さるのも印象的ですね。

そして2コーラス目。Aメロではソロ・パートの選手交代。前半をリサさんが、後半を
レナさんが担当しています。ですので、コードによるキャラの違いという解釈は深読み
でしたね(笑)。ただお二人の声とコードの乗っかり方の違いを味わうのは興味深いですね。

そしてBメロのあとの2回目のサビが、最初リズムを落として「落ちサビ」っぽくして
あるんですね。しかも落ちサビパートはレナさんソロになっている。

その後の後半ですが、最後少しコードを変えてあるので、拾いますね。
 |A♭|B♭|E♭・GminD|Cm・E♭inB♭|A♭|A♭|D♭(C#)|B|
A♭のコードがE♭majorの四のコードなのですが、そこからD♭で♭七になり、そこから
長2度下がってBのコードへ行って半音上のEmajorへ転調する、という流れです。
♭七は五の和音(B♭)の代用コードなので割と自然な形で半音上の転調に行けてると
思いますが、半音上への行き方であまりないパターンですね。今度使おうかな。

そしてEmajorでサビを一回しし、最後のリフレインはイントロ同様に四→五→一→六
を基調としたコードで回し「Say Goodbye」のメロディをリフレインさせるという
アウトロになります。そして終わり方も余韻があっていいですよね。ここはA(つまり四)
のコードのところなのですが、ギターのコードは厳密にはこうなっています。
 A→A-5→A→A6(F#m/A)
最後A6っぽい和音なのですが、これは転回させるとF#mつまりEmajorの二の和音
なんですね。二の和音で終わるってあまりないパターンで新鮮ですよね。

先ずは1曲目「Say Goodbye」の楽理解説を終了します。いかがだったでしょうか。
こんな調子でバニビVの曲を楽理解説していきます。お楽しみに。
posted by なんくい at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月25日

クリシェを使いこなそう#7一からの下降クリシェ-ロング・バージョン(その1)

引っ越しのために荷物の整理をしていて、昔勉強に使った和声学の教科書が
出てきました。新居にも持っていって勉強し直したいなあと思っております。
新生活になって、勉強する時間は取れそうなので、色々勉強したいなあと計画を
練っています。その成果はここにも還元するつもりなので、お楽しみに。

さて、ネットにつながらない状態の中で楽理解説の記事を続けましたが、ここらで
基本に戻って和音の連載を続けます。和音の連載の方も、根本的な理論編と、実際に
使えるコード進行を紹介する実戦編とを交互に進めていますが、今年はクリシェという
コード進行の手法を使ったものを紹介する、という連載をやっています。

今回は、前回紹介したパターンを続ける、ということをやってみます。先ずは典型的に
こういうコードです。
cliche027.jpg

cliche027.mid
cliche027.dms
(繰り返しになりますが、譜面にあわせてmidiファイルやDominoファイルをつけてます。
 特にDominoファイルはダウンロードしてDominoで開けてください。1つ1つの音を
 確かめながら響きを聞くことが出来ます。鍵盤のない方にオススメ)

1小節目のCから、ベースが半音ずつ7小節目まで下がっています。最後の8小節目はまとめ
なのでGに上がってますけど。この8小節分のクリシェ、ポップスでもよく用いられますよ。
聴いたことある人もいらっしゃるのではないでしょうか。

このバリエーションをいくつか紹介しましょう。今度は一番上の音をクリシェさせます。

cliche028.jpg

cliche028.mid
cliche028.dms

こちらの方がポピュラーかも知れませんね。これはベースを適宜動かしていますが、なるべく
動かさないようにすると次のようになります。

cliche029.jpg

cliche029.mid
cliche029.dms

ベースをずっと同じにすると、かえって緊張感が出てきますね。最後に紹介するのは
このコードの基本線をキープしつつ、クリシェさせる音を乗り換えさせたものです。

cliche030.jpg

cliche030.mid
cliche030.dms

和音の基本線がキープできていれば、こういうことも出来ちゃいます。メロディやアレンジ
の都合でこのようなオプションも知っておけば、何かと便利だったりします。

次回は、もう少し中の音を動かしてみましょうか。色々出来るのですが、しばらくは典型的な
パターンを踏襲していきます。
posted by なんくい at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コード理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする