2016年05月30日

ファンキー末吉さん裁判の判決が公開されました!

このブログでもトップ・ページに掲げているファンキー末吉さんの裁判の件。先ずは
第1審の判決が3月に出て、その判決文が先日公開されました。その詳しい検証というか
提言にあたるものは後々書くとしまして、ここでは取り急ぎの報告と若干の私見を述べます。

先ずは判決文はこちらです。
知的財産裁判例 事件番号:平成25(ワ)28704

ただこれは非常に冗長で分かりにくいですよね。解説記事としてバランスが取れている
のはこちらの記事でしょうか。
JASRAC対ファンキー末吉氏の地裁判決文が公開されました

私なりに今回の判決を総括すれば「想定内の負け」ということになるでしょうか。まあ
お金を払わなければならないのは事実ですし、ファンキーさんも「払う」とは言っている
わけですから、その点で「払いなさい」という命令が出るのは致し方ないことです。ただ
それに付随するJASRACの横暴がどの程度立証できるのか、という戦いに(裁判では)ならざる
を得ないわけですから。

その意味では、今回の裁判は「裁判で出来ること」の限界を露呈したものだった、という
ことも出来るのかも知れません。そもそも向こうから仕掛けられた戦ですから、こちら
としては裁判の内容自体にに過剰な期待はかけちゃいけないわけですけどもね。

では、いくつか具体的な論点を拾っていきましょう。この裁判での論点は8点だったそうです。
 1.被告らの演奏主体性(誰に使用量請求が来るのか、の問題)
 2.オリジナル曲の演奏による著作権侵害の成否
 3.被告らの故意又は過失の有無
 4.原告による許諾の有無
 5.権利濫用等の抗弁の成否
 6.差止請求の適法性及び差止めの必要性
 7.将来請求の可否
 8.損害ないし損失発生の有無及びその額

このうち、1・3・4・6・7・8についてはこの裁判での特異なケースであり、当事者
同士の争議にあたるケースなので、個人的には言いたいことはありますが、ここで検証
する事案ではないと考えます。ですから、このブログあるいは読者の皆さんにとっては、
2と5の問題が重要になってくることでしょう。

結論から言えば、そのいずれの点についてもJASRACの主張が認められ、ファンキーさんの
主張は棄却されるという結果となっています。先ず2の「自分の曲を演奏したら著作権侵害
なのかよ」という主張については「JASRACに信託した時点で、著作権者はJASRACになる」
という判断を行っています。これはもう、現状の著作権がそうなっている以上、仕方ない
ことだと考えます。私もこれはおかしいと感じますが、それならば著作権の設計自体を
考え直さなければならない、そういう事案であるということです。

次の5についてですが、この経緯でファンキーさんがJASRACに不信感を抱いたであろうこと
には、裁判官も心情的に理解を示しつつ(それが請求金額から減額された原因でしょう)その
根幹である「分配の不透明性」についてはこの裁判とは別物だという判断をしたようです。
つまり、ファンキーさんや私達が最も問題にしている点については、この裁判では問題にしない
というのです。向こうの土俵で裁判をしているが故の不条理がここに集約されているでしょう。

私としては、この裁判でファンキーさんが勝つことよりも、この裁判を通じて著作権の問題の
不条理を一人でも多くの人に認識してもらうことの方が重要なので、この問題をより適切に
広めていかなれればと強く思う次第です。ですので、それについてはまた作戦を考えたい
ですね。次の検証記事では、そういう意味も含めてより一般的な問題として皆さんに提示する
つもりでいます。とりあえず、ファンキーさんや裁判に関わった方には労いの意を表します。
ここから先は、私達の戦いです。今回の判決を、より多くの人に広めなければなりません。
皆さん、協力お願いいたします!
posted by なんくい at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 著作権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月28日

BAND-MAIDとバックドロップシンデレラの共通点を無理やり探す

今日お送りする2つのバンドは、今私がライブを見たいを思っている3組のうちの2組
(あと1組はOZROZAURUS!)だということと、このほど会心と言える新作を続けて
リリースをしたという以外にはさして共通点もないのですが、それを無理やり探して
2組まとめて紹介するというのが今回の記事の趣旨でございます。

先ずはBAND-MAID。どちらかというとこれまではBABYMETALと並べて紹介されることが
多いかも知れないですね。どちらもコンセプト勝負って感じですから。こちらはメイド服で
ハードロックをやるというキワモノ的なコンセプト、なんですが、何はともあれ音をどうぞ。



すいませんこれ、完全にどストライクです! メイド服とナメてかかるとガツンといかれる
というギャップを狙っているんでしょうが、正直ここまで本格派だとは! まあこういう
ことをやる場合は音が本格派でないと面白さが半減するでしょうけどね。

彼女達のこの路線の元になったのがこの曲だそうです。


確かにカッコイイ。ただアルバムを通して聴いてみると、今回のメジャー盤で一気に
ステップ・アップしたという感想を持ちました。ホント鉄壁といえる出来!

このBAND-MAID、演奏は自分たちでしているのですが、楽曲はプロの人が書いている
んだそうです。そんな中で初めて自分達で書いたという曲がこれ。



確かにプロの方の曲に比べるとキャッチーさに欠けますが、ボーカルの子の魅力を生かそうと
している曲作りなど、なかなかしたたかなものを感じさせます。相当自己プロデュース力が
高いですね。

では後攻の形になったバックドロップシンデレラ。彼らは「ウンザウンザ」なる謎の音楽を
奏でる集団とのことですが、こちらも論より音。先ずは1曲聴いてもらいましょう。



いかがでしょうか。フィドルが入ったケルティック・パンクかと思いきやいきなり
ヘビー・メタルばりにギターがひずむ。かと思うとレゲエになったり。おそらく
出はパンクなんでしょうが、民族音楽も含めて何でもあり、という雑食性がウンザウンザ
という音楽の本質なんでしょう。

オリジナルだとこれがいいかな。


スカパンクが彼らの音楽性の核なんでしょうけど、サビでマイナーセブンマイナスファイヴ
を使っていたり、無国籍的な陰りを出せるのと、ホルモンなんかに通じる雑食性がユニーク。
そして何より、お祭りバンドとして盛り上がること必至のバンドに違いない。

かと思うとこんな曲も。


彼らがウンザウンザなる謎の言葉を掲げるのは、1曲の中に色んな要素を詰め込み過ぎるのも
あるのでしょうね。ごった煮にしないと気が済まない体質。そこが彼らの味だと思います。
素直な音楽なんて他にゴマンとありますからね。

それぞれ3曲ずつ紹介しました。皆さん共通点が見えてきましたか? 私が思うに
先ず「コンセプト勝ち」なところ。両者ともお笑い寸前のコンセプトで思いついたもん
勝ちなコンセプトで独自な存在になり得ているというのが一つ。

そして、そのコンセプトを裏打ちできる確かな演奏力と音楽的体力があるということ。
コンセプトだけなら一瞬笑っておしまい、なんですが、そこに説得力を持たせる実力を
兼ね備えているから、ライブで盛り上がりそうなんですよね。

後は音楽性はまるで違いますがどちらもハードな音が武器、というのも共通点かも。
ハードロック好きにはたまらない音楽ではないでしょうか。他にもっと重要なポイント
として(だから2組まとめて取り上げているわけですが)この両者が体現している自由さ
というか、空気感が今の世に結構意味があるなあと感じているわけなんですが、ここは
上手く言語化できないなあ。目下の私の宿題ですね。

最後に両バンドのインタビュー記事を紹介して終わりにします。BAND-MAIDはリリースに
合わせてたくさん記事が出ていますが、こちらが一番良かった。概要がよく分かるはず。

ギャップ萌えは世界共通だった?BAND-MAIDが海外でウケたワケ

一方のバックドロップシンデレラはこれくらいしかありませんでした。

バックドロップシンデレラ、なぜ名曲を“ウンザウンザ”で踊る? 各国民謡とBUCK-TICKカバーが並ぶ異色作を分析


この二つのバンドから(共通点なんてどーでもいいから)何かポジティブなものを感じ取って
もらえれば、私としてはこの記事を書いた甲斐があります。
posted by なんくい at 11:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月24日

Negicco「ティー・フォー・スリー」は重要な転機作!

今日はNegicco「ティー・フォー・スリー」の発売日なんですよ。ただ私、引っ越してから
タワーに縁遠くなり、フラゲが難しくなりまして。今回もAmazonの予約を用いたのですが、
昨日やっと支払いが済んだ有様で。(事前に払わせてくれたらいいのに)手に入るのが
水曜日くらいになりそうなんですわ。ただ、そんな私に強い味方が。それが・・・。

Apple Music

まさかNegiccoをサブスクで聴くことになるとは思いもしなかったのですが、今回は
「ミュージック・マガジン」で取り上げられたりと、より広い層に希求しそうな作品
なので、サブスクで聴くなんて人も多くなるかも知れないですね。

というわけで、まだCDで聴いていない状態(特に車の中でどうか、というのは重要な
ファクターだったりするのですが)で取り急ぎ書くレビュー記事です。

といっても最初「ちょっと地味かな」と思ったんですよ。YouTubeの全曲紹介でもピンと
来ない曲が何曲かあったりして。


なのでそういう曲から聴き始めたから、というのもあったかも知れませんけど。印象が
一変するのは5曲目の「Good Nightねぎスープ」を聴いてから。「あ、これは前作から
ずいぶん違うところに行ったんだな。確かにこれが正解だわ」と。

前作「Rice & Snow」の渋谷系ポップスど真ん中路線は私の大好物なわけですが、
あれを続けることに未来はなかったのでしょう。だって、あれ以上はないもん!
その点、よりコンテンポラリーなアダルト・ポップス路線は、まだまだ掘りがいがある。

実は私、Tパレでの3rdシーズンが始まるに当たってこういう記事を書いているんです。
要は、今回のアルバムは彼女達が長く続けていくために必要なシフト・チェンジだった
と思うんですよ。2010年代に突如狂い咲いた渋谷系ポップスのあだ花的存在として消費
されてしまうのでなく、息の長い活動をしていくための。おそらく今作が一番「刺さる」
のは。20代〜30代の女性でしょう。そういう、主なファン層が変わっていく、そういう
節目になる作品となるのかも知れません。

もちろん、これまでの作品で口うるさい音楽ファンを唸らせてきた実績もありますから、
そのブランド・イメージは保ちつつも(つまり従来のファンをある程度満足させつつ。
でもそれだけだったら絶対「米雪」に勝てないもん。そこは上手く回避した)新しい
彼女達を見せることに成功していると思います。その意味で今作の聴きどころは
M5「Good Nightねぎスープ」〜M6「江南宵唄」とM9「SNSをぶっとばせ」が
カット・アウト気味に終わってからのミディアム・スロー4連発でしょう。特に
ラストの「私へ」の殺傷力はハンパない!!!

さて、アルバムが出たら恒例としている全曲解説ですが、今回はやりません。せっかく
新しい路線へシフトしたんですから、同じこと続けてもね。気が向いたら何曲かは
やるかもですけど。(でも今回は楽理というよりアレンジなだよねー)代わりに、
歌詞にスポットを当てた二次創作的なことをやろうと考えています。村上龍さんの
「料理小説集」みたいなことを構想中。しばしお待ちを!
ラベル:Negicco
posted by なんくい at 08:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする