2016年07月27日

若葱茶話その壱「矛盾、はじめました。」

「わかねぎのちゃばなし」と読みます。Negicco「ティー・フォー・スリー」の
楽曲が獲得した新たな魅力を伝えるために、従来的な楽理解説とは異なるアプローチを
取ろうと苦悶した数ヶ月。取りあえず見切り発車ですが、フィクションの力を借りて、
楽曲の魅力をあぶり出してみようという試みです。ここのお話が主役ではなく、あくまで
楽曲が主役なんですが、伝わるかどうか。まあ、やってみます。

     ×     ×     ×

中間管理職の悲哀をこれほどにまで感じるなんて。最近とみにそう思う。

崎山暁音は勤続6年目のサラリーマン。営業畑一筋で、この春から課長に昇格した。営業の成績では誰にも負けない自信がある。ただ、これからは自分のような後輩を育てなければならない。

元上司の亀脇からは「誰かを手本にしなくてもいいよ。崎山らしい課長になればいいから」と言ってもらった。確かに亀脇のようなリーダーシップが自分にないことは自覚している。上手く訓話とかを垂れられる自信もない。だから、背中で語れるような上司になりたい。そう思ってた。

最初のうちは上手くいってる、ように思えた。新たに部下になった後輩たちは、自分から積極的に動いてくれた。崎山さんが上司になってうれしい、と言ってくれ、課内は活気にあふれた。

しかし、なかなか結果が出ない。

最初のうちはそれも想定内だった。その分は自分の実績で埋め合わせばいいという腹づもりだったし、実際それで帳尻は合っていた。しかし、ほどなく部下のクレーム対応に追われることになる。

しかも、最初の部下への対応がまずかった。甘夏と呼ばれる、2年後輩の自分の部下がいる。ただの後輩だった頃は自分のサポートもしてくれ、暁音も甘夏のフォローをしたり仕事のイロハを教えたり、と美しい先輩後輩関係だった。彼女も暁音の昇進を喜んでくれ、「崎山センパイの下で働けるなんて、幸せです」と言ってくれた。

なのに、彼女がやろうとしていることについて、アドバイスをしようとしたらこう言われたのだ。「崎山センパイが駆け出しの頃って、亀脇課長に『好きにやっていいよ』と言われてのびのびと仕事できたんですよね。だったら私にもそうして下さい」それ以来、部下に強く言えなくなっていたのだ。

ミスを繰り返す部下と、それを強く叱れない上司。いつしか課内の雰囲気はだんだん険悪になっていった。

「注意してるよちゃんと。伝えるべきことは伝えてるんだけども。問題は、みんなが私の言うことを聞いてくれないこと」
「そういうこともないと思うけど。そりゃあ暁音から見たら足りないところだらけだろうけどさ」

和田幸雄は3歳年上の恋人である。付き合ってもう4年になるのだが、上昇志向の高い暁音と比べて、何事ものほほんとしている幸雄は、何もかも正反対。ただ、それがバランスを取れているのかなあと、最近思い始めている。実際、幸雄と会うと癒される自分がいる。

そんな幸雄との会話でも、会社の愚痴が多くなってすまないと暁音は思う。だけども幸雄は、いやな顔もせずに付き合ってくれる。

「で、その亀脇さんに相談したりしたらいいんじゃないの。通った道だろうし」
「今転勤してなかなか会えないのよ。今の上司は数字至上主義だし」
「その人は相談に乗ってくれないんだ」
「全然。体育会系で『数字を出さないと人間じゃない』って人だから」

そうなのだ。現在の部長にあたる穐山は、ただ暁音を攻めるばかりで「数字を出さない奴は会社に要らない」としか言わないのだ。課の現状を穐山に伝えても「だったら俺が言ってやるよ。俺がビシッと言ってやれば、課の雰囲気も引き締まるだろう」と今にも直接部下を叱責しかねない勢いなのだ。

それだけは止めてくれ、と暁音は懇願する。一度穐山が課を視察したときに言ったことで、部下たちはプンプンだったのだ。「何あの人、サイテー」「部長って数字しか見ていなくて人間が見えてないのよ」暁音は、そんな部長と部下との板ばさみ状態に陥っていたのだ。

「そうか。崎山も、そういうことに悩む段階になったんだなあ」

上京してきて久々に会えた亀脇に、現在の状況を相談することが出来た。亀脇はだまって暁音の話を聞いてくれ、その後に昔話を始めたのだ。

「崎山が駆け出しの頃って、ガッツはあるけど見るからに危なっかしくてさ。おれもどうしたものかと相当悩んだものだよ」
「そうなんですか?」
「おれも結構クレーム対応したし。今だから言えるけどさ」
「知らなかった」
「まあそのまま伝えても士気が落ちるし。崎山の取り柄って当時はガッツだけだったからさ」
「そうだったんだ」
やはり自分は亀脇のようにはやれない、と痛感する。亀脇の後に色んな上司の下についたけども、亀脇の下が圧倒的にやりやすかったし、彼のおかげで今日の自分があると強く感じる。
「まあおれん時は、川添が悪者になってくれたってのもあるけどな」
川添というのは亀脇の次に課長になった男である。(亀脇課長時代は課長補佐だった)確かに厳しいところがあって部下に嫌われていたが、暁音はそんなにイヤな印象はない。確かによく怒られはしたが、言っていることは常に筋が通っていたからである。
「おれだって課長になりたての時はこんなに損な役回りはないと思ったし、最初の1年は空回りばかりしてたさ。崎山の場合は補佐も経験せずいきなり課長だから、おれ以上に大変だと思うよ。それに今の営業二課は、正直そんなに戦力が充実してるように見えないしね」
そうなのだ。しかしそれ以上に、今の営業二課には暁音の味方になってくれる人がいない。課長補佐の長友は世渡りだけが上手なお調子者だし、怒られる場面から逃げるのが実に巧みだ。危険察知能力が高いと言うべきか。

「で、君は一体どうしたいのよ」
珍しく幸雄からキツい返しが来た。例によって仕事の愚痴を文句も言わずに聞いていてくれたのだが、言うべきことが詰まって無言になってしまったときに、そう尋ねてきたのだ。
「それが、分かんないんだよね。あの子達の自由にやらせてあげたいって気持ちもあるし、でも数字が大事だって会社の方針も痛いほど分かるし。私だって数字にもまれて成長してきたと思うしね。でも今の彼女達にそれを求めるのは正直酷かなあって気持ちもある。だから、どっちにつけばいいのかってところがブレてるんだよね」
「あ、それに関しては答えは明白だわ。暁音、どっちにつかなくてもいいんだと思う。暁音自身の基準で、その時その時に適切だと思う言動をすればいいんじゃん」

「それが分かんなくなってんだよ」と思ったが、幸雄の正論に返す言葉もなかった。私自身の基準かあ、と暁音は途方に暮れる思いがする。本音を言うと、私、どっちの立場にも立ちたいんだよね。でもそれって、二兎を追うことになるんじゃないのかしら。

ラジオでかかるその曲に気を留めたのは、ちょうどその頃だった。「矛盾、はじめました。/わたしたちいつだって/理想と現実の迷子なの」という言葉が何故だか心に引っかかったのだった。


調べてみるとNegiccoという新潟のアイドル・グループの曲だった。ラテン調の落ち着いた楽曲に、失恋だか恋の泥沼だか、そういう状態に陥った女性を、女友達が励ますという体の楽曲だった。しかし最初は、どちらかというと反発の方が大きかった。不倫を肯定しているかのように感じたし、「Make up your mind!」と言ってる割に「矛盾、はじめました。」なんて歌ってるし。その矛盾を解決するためにMake up your mind(決断)するんじゃないの、と思ってしまったのだ。その曲に惹かれる部分もありつつも(だからわざわざYouTubeで検索したんだし)、受け入れることが出来なかった。矛盾なんて生きられない。やはりこの曲は自分を分かってくれてない、と感じた。そもそも曲に自分を分かってもらおうなんて、大変思い上がった考えなんだけども。

思えば我慢も限界に来てしまったのだと思う。ネチネチとクレームを繰り返す得意先に対し、暁音がキレてしまったのだ。
当然、得意先の怒りは頂点に達した。その怒りを鎮めるために、部長の穐山ばかりでなく、副社長まで出てきて頭を下げる、という事態になってしまったのだった。

そこまで大事になると分かった瞬間、暁音はクビを覚悟した。と同時に、どうにでもなれと開き直る自分もいた。得意先との関係は、これでおじゃんになるだろう。ただその評判が外へも影響しないように、暁音も方々に頭を下げて回る羽目になった。
結局クビは免れたものの、大目玉を食らったし、それなりのペナルティも得た。何よりこれから、営業もよりやりにくくなるだろう。部下を逆風にさらして済まないと思う。

ただ今回の騒動で、いいこともあった。自分に味方がいることが分かったことだ。課内の部下たちはみんな、暁音をかばってくれた。あのお調子者と思われていた長友だって、陰では暁音のフォローをしてくれてたらしい。課内の子達に向かって「崎山課長が全部、泥をかぶってくれてるんだから、せめて僕たちで精一杯課長をフォローしようよ。僕たちは能力ないから、足を引っ張るばかりだけども」と言ってくれてたと知った時には、ちょっと泣きそうになった。長友を誤解していた、と反省したし見直しもした。危険察知能力が高いのは相変わらずだけども。

騒動が一段落した夜、自分からあの曲を聴いてみようと思い立った。今度は素直に曲が体に入ってくるのを感じた。中でも、次のフレーズが、心にどしんときた。

 矛盾、はじめました。
 矛盾、はじめなきゃね!
 理想も現実も生きたいの

これからも、自分は引き裂かれ続けるのだろう。でもそれでいいのだ、と初めて思えた。二兎を追ってもいいじゃない。それでたとえ、一兎も得られなくても、それが私なんだから。

暁音の矛盾は始まっていたけども、自分から「はじめました」と、今なら言える気がする。

     ×     ×     ×

長い長い駄文を最後まで読んで頂きありがとうございます。正直、上手くいってるかどうかの手ごたえはありません。何とか頑張ってみましたが、いかがだったでしょうか。

さすがにこれを全曲でやるのは困難なので、何曲はピックアップして連載するつもりでいます。次回の分までおおむね出来上がっているので、近々アップいたします。
タグ:Negicco
posted by なんくい at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | この記事はフィクションです | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月25日

サブスク時代の洋楽楽理解説 #6Van Halen「Dreams」

毎月恒例の楽理解説、今回はバニラビーンズのリサさんも大好き、ヴァン・ヘイレンです。

この楽理解説でヴァン・ヘイレンを取り上げることはかなり前から決まっていたのですが、
どの曲をとなるとギリギリまで迷っていました。「JUMP」にしようかそれとも・・・という。
結局、楽理的に面白い「DREAMS」としたのですが、選曲で私のヴァン・ヘイレン観を主張
しているわけではないんですよ。その辺の事情を説明するために、先ずはカンタンに歴史を
おさらいしませう。

ヴァン・ヘイレンというとハード・ロックの雄として非常によく知られた存在です。エドワード・
ヴァン・ヘイレン(以下エディと略)のライトハンド奏法はギター・キッズの憧れの的であります。

彼らは70年代の後半にデビューしているのですが、なんとキンクスの「YOU REALLY GOT ME」
でデビューしてるんですね。彼らはアマチュア時代にカバー曲中心のライブをしていたわけ
ですが、その選曲もキッスやディープ・パープルに混じってZZトップなんかも演っていた
そうです。その後もカバーではR&Bのスタンダードを取り上げたりと、なかなか渋いところ
を見せてくれます。あるいは、エディとアレックスの兄弟にはクラシックの素養があったり
と、その辺が凡百のハードロックバンドと異なるところなのかも知れません。

デビューの時から彼らはヒットを飛ばし、アルバムごとにセールスを伸ばしていくのですが、
彼らの人気を決定的なものにしたのが「1984」でした。その前にエディがマイケル・ジャクソンの
「BEAT IT」でゲスト参加し、そこでエディがヒットのノウハウを学んだと述懐していますが、
今聴いても非常に分かりやすいアルバムで、ヒットの匂いがプンプンします。

ところが、その人気絶頂のさなかにボーカルのデイヴ・リー・ロスが脱退。バンドは新たな
ボーカリストとしてサミー・ヘイガーを迎え、アルバム「5150」をリリースして大ヒット。
ここで、ヴァン・ヘイレンのファンにとって悩ましい「デイヴ派かサミー派か」という
問題が勃発する(?)のです。というのも、この二人、ボーカリストの資質としてあまりに
対照的なんですよ。陽気で冗談だか本気だか分からない佇まいのデイヴに対し、誠実で
エモーショナルな歌が印象的なサミー。そりゃあ好みも分かれますわな。まあそれぞれの
持ち味もあると思うんですけど。私は、どちらかというとデイヴが好きです。

なんですが、今回取り上げるのはサミー時代の「DREAMS」なんですよ。ヴォーカルがサミーに
なって、ヴァン・ヘイレンはてらいもなくエモーショナルな楽曲を出すようになった。
そこに、彼らのクラシック他の素養が伺える複雑な楽曲構成と相まって、非常に面白い
楽曲になっている。その端的な例として、今回「DREAMS」を取り上げるわけです。

では、早速楽理解説に入ります。最初、キーボードのソロ(アコギの音も入ってる)から始まります。
ここの部分はベースがないのですが、一応コードとしてはこのようになっています。
 |ConE|F|AmonE|G|FonC|C|Csus4・C|Csus2|
この繰り返し。分数コードとサステインを多用していますが(割と彼らはこれが好き)
コード的にはわりと素直な部類に入ります。最初の一→四→六→五が少しユニーク(でもこれ
「会いたかった」と同じコードですけどね)ですけども。最後の2小節のサステインのところ
も、実質は四→一→五ですから。

そして、ドラムなどが入る本格的なイントロの入ります。ここもコードはわりと素直。
 |C|C|ConE|ConE|F|F|ConG|G|
 |C|C|ConE|Am|F|F|ConG|Gsus4|

実際はキーボードがもう少し複雑なコードバッキングをしているのですが、そこは省略します。
実質は先ほどと同じ、分数コードやサステインを多用して、和音に曖昧な色彩を出している
わけです。2回目でAmに変化(ここ、実際は11小節目の4拍目にコードが変化している)
するところがちょっと目新しいですが、わりとCから始まる素直なカデンツだと認識して
頂ければ結構です。

そして、Aメロ。ここでちょっと変化があるわけです。
 |Am(add4)|F(add6)|Gsus4add9|Am(add4)|
 |F(add6)|Gsus4add9|Am|Am|
 |F(add6)|Gsus4add9|Am|Am|
 |F(add9)|Gsus4add9|

ここの構成のいびつさを強調するために4小節区切りにしています。先ずここの部分、
六の和音、いわゆる(平行短調の)マイナーから始まっているわけですね。そこから
四→五→六となるわけですが、ここがいわゆる三角形的な構成になっているのです。
というのも一回目の4小節は六で始まって六で終わる構成になっていて、2回目からは
四から始まる構成になっている。(その分、2回目からは六の和音が後半2小節を
占めるようになっていますが)このずれがエモーショナルな効果を生んでいる。
おまけに2回目以降の四→五→六というのはマイナー展開として典型的なコードでして
(V系の人達がよく用いましたし)それもこの部分のエモーショナルさを際立たせて
いると言えましょう。そして4回目は五の和音のところで切れてBメロに渡す展開に
なっている。このようにドラマティックになる部分が1回目〜2・3回目〜4回目と
ずれていってる構成になってるんです。

そしてBメロの部分。サミーのボーカルのフレーズが泣きのメロディになるところ。
 |C|Am|Em|F|C|Am|F|G|
普通の楽曲ではサビになるような感じのフレーズやコード構成ですが、それがBメロ。
いわゆるつなぎの部分なんですね。でも注意深く見てみると、ここで一の和音から
始まることから分かるように視界が開けたように感じるところではあるのですが、
最初の4小節でドミナントを使わないことから分かる通り、ここの部分、動きを
感じないような造りになっているんですよ。一つの情景だけでドラマティックな
展開はない。最後だけとってつけたように(というより次につなげるために)
五の和音で終わるようになっていますが。

つまり、ドラマティックな部分がずれていくなど、動きのあるAメロから、晴れ渡って
いるけど動きのないBメロ、という対比になっているわけです。そして、再びAメロに
戻り、そこからまた再びBメロに。つまり、サビに行く前にA→B→A→Bと2回繰り返し
になっているんです。しかも2回目のBメロは最後のGのコードのところを1小節分
引き延ばして、サビに向けてワンクッション置く形になっています。

そのサビですが、ちょっとユニークなんですよ。
 |ConE|F|Am|G|F|Am|FonG・ConG|Gsus4|
この2回繰り返し。ここの部分、一番最初のキーボードのフレーズがそのまま鳴っている
ことから分かるように、その部分の再現なんです。そこにベースが入ることで変化が
出ている。しかも、決定的な変化が。

先ず最初の4小節はそんなに変わらないです。最初のCの和音が転回形になっていることで
途中から始まる感じを演出しているのですが、一→四→六→五というコードで4小節目に
向かってドラマが盛り上がる造りになっています。特に3小節目の六の和音という変化で
おやっと思わせる効果があってドラマをより盛り立てる形になっている。

ところが、後半、特に6小節目ですよ。ここがベースの音によってAmになっている!
これはお分かりの通り、前半の2〜3小節の再現なんですわ。それによって、結果として
収束感を生むようになっています。だって、次に五に行くしかないですもん。しかも、
前半では2〜3小節と偶数−奇数とまたがるようにこの和音が来ているのに対し、後半の
この部分では奇数−偶数とずれているんです。それにより、少し早くその収束が来るように
感じるわけですね。しかもここの部分、メロディの動線も下がり目になっていて、収束感を
強調している。ここまで高音で張り上げていたサミーのボーカルも、奇妙な尻つぼみ感を
感じさせる。ところが! この「尻つぼみ感」こそがこの曲のキモで。ここの部分がすごく
心地良いんですね。それは、ここまでサミーが歌い倒すようにこれでもかとエモーショナルに
引っ張ってることのギャップもありますし、起伏の多い曲調(動きがあったり止まったりと)
ゆえに収束が気持ち良いのもありましょう。そして、その収束もずれによって少し早く
訪れることで、程よい余韻をもって味わえるということも大きいでしょう。

そして1回目のサビの後にはギターソロ。ここではDminorに転調しています。間奏のところで
転調するのは彼らのお得意のパターンなんですが、特にこのようなメジャー・キーの曲では
マイナーに転調(しかも単純な平行短調でなく)というのが好きなようですね。
 |Dm・F|Gm・B♭|C・ConE|Dm|Dm・F|Gm・B♭|C・ConE|Dm|
 |Dm|G|Dm|Am|Dm|G|Dm|Am|
 |B♭|E♭|Gsus4|Gsus4|

17小節目からの展開でCmajorに戻るところが見事ですよね。そして三度Bメロへ。ところが
ここは、少し繰り返しが多いんですよ、このように。
 |C|Am|Em|F|C|Am|Em|F|C|Am|F|Fsus4onG|Fsus4onG|
13小節、つまり3回繰り返しなんですよ。3回目はサビへのワンクッションで1小節長く
なっているのは2回目のBメロと同じですが。これは、この後サビが繰り返しになるので、
バランスとしてもちょうどいい。

そして最後のサビですが、2回繰り返した後にエディのギターソロのみが1回、そして
再びサミーのボーカルが加わって1回再現されるのですが、ここの終わりが少し変わって
おりまして。こうなっています。
 |ConE|F|Am|G|F|Am|B♭|B♭|FonA|FonA|
 |B♭|F|C|C|
つまり収束のところでB♭に行くんです。そしてそこから2小節早くアウトロに。ここでも
ずれがあるわけですね。そして♭七→四→一というこれまでなかったパターンで余韻を出して
終わる、というつくりになっています。変終止というドラマ性の小さい終わり方で、変化を
出しつつも収束して終わるというこの楽曲のドラマ性を損なわない終わり方です。

いかがでしょうか。この「Dreams」はコードの繰り返しでずれを生むような造りが絶妙で、
それにより、ドラマ性が収束する(解決するといってもいいけども)ところでカタルシスを
生んでいる、というのがこの楽理解説の要旨です。分析してみると、実に巧妙に出来ている
ことが分かりますね。

次回は8月の終わり。まだ暑いでしょうからレゲエでも行きましょうかね。Matisyahuの
「Smash Lies」をやります。ちょっとジャングルっぽい曲なので、リズム面の解説が中心に
なります。コードはシンプルですので、以前ユッスーでやったのに近いですかね。
posted by なんくい at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月23日

新潟って土地はいったいどおなってんだ?

新潟愛好家の皆さん、こんにちは。なんくいです。

皆様におかれましては、Negiccoが30日にNHKホールでライブを行ったり(私も
行きますが、とんぼ帰りですorz)RYUTistが2ndアルバムをまもなくリリースしたり
(これがとんでもない名盤の予感!)とご多忙な毎日を送っておいでのことと存じます。

そこへまた、謎の強豪が現れて、新潟愛好家の皆様方はうれしい悲鳴を上げられること
必至の情報をお届けしようと思います。(え、もう皆さん知っておいでですって?)

私のTwitterでここ数週間、TLに「フジンカラー」なる謎の言葉が飛び交うようになりまして。
その時は別に気にも留めていなかったのですが、そのうちに割烹着を来た婦人方が顔を隠しながら
どうやら音楽をやっているみたい・・・というふうに断片的に情報が入ってきたわけです。

で、どうやらその音楽がスゴイと複数の人が騒いでいるという事態に気づき、「どれどれ」と
軽い気持ちで音を試し聴きし始めたところ、!!!!!!!!!となったわけです。

論より証拠。先ずは音を聴いてみましょう。


とほうもなくオシャレなポップスに「おお、なかなかイイね」とほころびつつも、時折
聞こえる只事でない音に、これちょっとヤヴァいかも知れないと予感する。



うわあ、今度はオーガニック・ポップだ。ただオーケストレーションがかなり奇形。
(ファゴットのフレーズとか)ポップで親しみやすい曲ながら、やはり只事でない
ハイセンスにやられかける。この人達、とんでもない、かも??

と思ったら、2年前にこういう音を出していた。ショートバージョンだけど。


な、な、な、なんてことだああああ???? 2014年の12月いうたら「光のシュプール」で
大騒ぎしてた頃だよ。その時に、同じ新潟からこういう音が出ていた、とは!

さらにその半年前に公開されてたのがこれ。


この頃には既にその世界観とクオリティーは確立してたってわけ。これを2年間も
知らなかったとは、不明を恥じるばかり!

この音を作っているのが「カメラ=万年筆」というポップ・ユニットの佐藤望さんという
人で、1年間佐渡に住んでいた(田舎でじっくり自分の創作をしたい、とのことで)時に
このコンセプトを思いついた、ということ。つまり今回は黒幕がその佐藤望さん(ちなみに
現在は神奈川在住らしい)ということが、はっきりしたわけですが。

しかしなんでまた「新潟」なんだよ。一体全体(ドン!)なんで新潟からばっかり(ドン!)
私の琴線に触れるポップスばっかり(ドン!)次から次へと(ドン!)出てくるんだ?(ドンドン!)

失礼しました。興奮しすぎて机をたたく音が、どうやら文面に表れてしまったみたいですww

少なくとも言えることは、この婦人倶楽部に至っては、相手はもはやアイドルですらない
わけですよ。主婦ですし顔出しNG(見目麗しくは見えますが)ですし。それでターゲットに
なっているのは、他でもないこの私であり、これを読んでいるアナタ方ですよ。

ですからこの「婦人倶楽部」に関しては、このままいったら新潟にふるさと納税しているのと
同じではないか、とハマってしまった自らの音楽業を呪いつつ、その至福に浸るのが一番の
方法だと考えます。しかし、新潟って地はポップスの神様に愛されているんでしょうかねえ。
もしそうなのであれば、ふるさと納税くらい屁でもないですけど。お布施みたいなもんでしょ。
(ちょっと違うか)

CDは通販の他、タワレコの新宿と渋谷でしか売ってないそう。私も30日に上京した際に
購入しようと思います。
タグ:婦人倶楽部
posted by なんくい at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする