2016年10月28日

ORIGINAL LOVE「ゴールデンタイム」からJazzのフレイバーを学ぼう

楽理解説ウィーク第2弾はORIGINAL LOVEです。やるやると言いっ放しだった
「ゴールデンタイム」の楽理解説を行います。てか、やんなきゃいけないでしょ!




素晴らしいですよねー。ただこの曲の解説に関しては、表題に示したようにJazzのフレイバー
に焦点を当てて解説しないなあと思っております。一応全解説しますけども。

この曲はいきなりサビ始まりですね。いきなりこういうコードから始まります。
   |A♭maj7|F7|B♭|Gsus4・G7|
   |Cmin7|F7|F#min7・B7|Fmin7・B♭7add13|

この繰り返し。ここでやはり目立つのが7〜8小節目のコードですね。いきなり
半音上のツー・ファイブが出てくるのがこはいかに!という。でもこれが非常に
Jazzを感じさせるコード使いでもありますよね。

7小節目のF#m→Bは、E♭majorのキーから見れば♭三m→♭六という位置になります。
フラット三というコード自体は割り合いよく見かける(特に最近のJポップでは)コード
ですけども、それがマイナーになるのはかなり特殊でしょう。そしてそこからさらに
フラット六に行くとなると、次に予測されるのは半音上のD♭majorのキーですから。

ここでのポイントは2つ。どうやってこのコードに行くのが自然に聞こえるのか。そして
どうやって自然に戻るのか、です。いや、そんなに自然ではないんですけども(だから
インパクトをもって聞こえるわけですし)いくつか手掛かりはあります。先ず前のコードは
半音下のF7なんですが、ここがメジャーに(しかも属7)になっているのがポイント。
そうすると、F#min7とは第3音のAが共通しているんですよ。一番キモになる音が、
前のコードからの流れで自然に聞こえるようになっている。だいたい半音上のコードに
行く場合には、1音ないしは2音の共通する音を残すようにすれば割り合い自然に聞こえる
傾向があります。色々試していただきたいものです。

ついでにこのF7は二のポジションで次に五の和音を導く副五の役割も持っています。なので
遠回りしつつも結局B♭のコードに行き着くのが解決したように聞こえるということも
申し添えておきましょう。

続いて、B7からFmin7へのコード進行ですが、ここは真裏へ移動しているという最も不自然な
進行なんですよ。なので最も「なんだこりゃ」と思わせるコード進行でもあるわけですが。
ただこれも、共通する音がありまして。それが第3音のD#(E♭)なんですよ。それがFmin7の
第7音に残っている。この第3音は導音でして、次に半音上に行こうとする力が強いんですよ。
それが、属7ではないのですが第7音にシフトすることで、次に半音下に行こうとする動きに
変わる。この近辺の音の流れをF#min7から順に見ていくと、E→D#(E♭)→E♭→Dと
半音下→同じ音→半音下という割り合い自然な音の流れが生じているのです。これが、
ツーファイブを半音下に重ねていくJazzの語法を支えているわけですね。

さて、ここから短いイントロに行くわけですが、ここでも非常にJazzっぽいコードの使い方を
しております。ここのコードは私が聞き取った限りだとこうなっております。
   |A♭maj7/B♭|A♭maj7/B♭|G♭add9/B♭|G♭aug add9/B♭|

ここはルートのB♭(とその7度のA♭)は固定しつつ、その上の音を変化させて面白みを
出している箇所です。コード機能的にはずっと五の属7なんですが、そこに変化をつけて
楽しむ箇所ですね。先ず最初の2小節はただのユーミン・コードですが、後半の2小節が
かなりおかしなことになっていますよね。先ず3小節目ですが、これはB♭の上にA♭(7度)
〜D♭(-10度)〜G♭(-13度)という重ね方をしている。そしてD♭とG♭と根音のB♭とで
ちょうどG♭の長和音のコードを形成しているというわけです。このG♭はB♭majorのキー
からは♭六の位置にあたり、しかもB♭がG♭の第3音に当たるので、第1転回形にも聞こえる
ように出来ています。つまりここで全然違うコードの色合いが、しかもかなり鮮明に入って
きちゃうわけなんですね。そこが、ここの部分の面白みの正体なのです。

そして4小節目ではD♭が半音上のDに変化する。これだとDがB♭の第3音に当たるので、
ちょうど導音が復活するわけなんですね。それで、音的には増和音なのにすっきりした印象を
与えるわけなんです。

ではAメロに行きましょう。ここのコードはこうなっています。
   |E♭maj7|Fmin7|Gmin7|A♭maj7|
   |E♭maj7|Fmin7|Gmin7|B♭dim・C7|
ここは一→二→三→四と上がっていくコード進行ですね。8小節目のB♭dimはC7の代用
でしょう。ここでは一応ベースがB♭→D♭→Cと音を移動させています。ですので
C7と記載していますが、実際はadd-9が加わった少し複雑な音になっているでしょう。
ちなみにC7は次のFmを導く副五になります。

そしてBメロですね。ここのコードはこうなっております。
   |Fmin7|A♭minJ7・A♭m6|Gmin7|C7|
   |F7add9|F7add9|Bmaj7|B♭7|
ここは2小節目と7小節目ですかね。ここは本来二→五→三→六と進むところで、その五の
代用として四のマイナーに行っているわけです。ちょっと変化がありつつも次の三へは
自然な感じで進めるコード使いです。上がマイナー・メジャーセブンス〜マイナー・シックスと
ちょっと特殊な和音を使っているのもポイントです。

そして7小節目は本来8小節目の五の和音に行くところをその半音上に進んで変化を
つけているわけです。F→Bへは真裏なので、ちょっとおやっと思うコード進行ですね。

そして再びAメロ〜Bメロなんですが、ここでは少しだけコードが変わっております。
   |E♭maj7|Fmin7|Gmin7|A♭maj7|
   |E♭maj7|Fmin7|B-5J7/D♭|C7add-9|
   |Fmin7|A♭minJ7・A♭m6|Gmin7|C7|
   |F7add9|F7add9|Bmaj7|A♭/B♭|B♭7|
先ずAメロですが、7〜8小節目が違うコードになっています。8小節目は先ほども
少しだけ垣間見せたので、7小節目ですね。ここはD♭の上にB(7度)〜D♭(9度)
〜F(10度)〜B♭(13度)が乗っかっています。といってもFの10度は3度でもある
わけですが。ついでに言えばB♭の13度も6度でもあるわけですが(そこで最初は
ここのコードをD♭6と聞き取りました)セブンスと一緒に使っているのでここの
ポジションになります。いずれにせよこの13度(あるいは6度)の音は次のC7の
セブンスの音を予告しているという機能を果たしています。あと、この音があることで
メロディとの絡みが自然に聞こえるという効果ももちろんあります。

そしてBメロは1小節多いですね。このあまりの1小節がポイントだったりします。
先のBメロは4小節単位で進んでいるため、スムーズに次へと連なっていきますが、
ここでは1小節多くしてブレイクにすることで、ここで次へとエネルギーをためる
箇所になるわけです。また、サビメロ(最初のサビメロにはなかったですが)が
アウフタクトで始まっているのもここでブレイクにしたポイントだったりします。

そしてサビ。ここは先ほどの8小節を2回繰り返すんですが、2回目のコードが少し
変わっています。ここではそこだけ解説しておきます。
   |A♭maj7・Cm/G|F7F/E♭|B♭・B♭/A♭|G7・G/F|
   |Cmin7Cm/B♭|F7|F#min7・B7|Fmin7・B♭7add13|

まあ、言ってしまえばベースが下へ下へドライビングしているってだけですけども、
この動きが高揚感を増していますよね。ブラスが伸ばしになっていてそれとの対比も
あると思うのですが。この辺、アレンジの妙ですね。

そしてここの間奏も8小節と長め。こうなっていますよね。
   |A♭maj7/B♭|A♭maj7/B♭|G♭add9/B♭|G♭aug add9/B♭|
   |A♭maj7/B♭|A♭maj7/B♭|F#min7・B7|Fmin7・B♭7add13|

冒頭のところの4小節をまた繰り返すと思いきや、サビの最後に出てきた半音上の
ツー・ファイブから降りてくる展開でAメロに突入します。

そして2回目のAメロではビートを落としてブレイク風になっています。最初のところの
ブラスがメロディとユニゾンになっているのが印象的ですよね。(そしてその後のブラスの
キメも)ここのAメロとBメロは1回ずつです。そして2回目のサビからブリッジに突入。
ここもコードを拾っておきますね。
   |Bmaj7/D♭|G♭maj7(add9)|Bmaj7/D♭|G♭maj7(add9)|
   |Bmaj7|B♭min7|A♭min7|B♭min7|
   |Bmaj7|B♭min7|A♭min7|A♭/B♭|B♭7|

G♭majorに転調しているパートですね。ですからBmaj7と記載しているのは本来はC♭maj7と
書くべきなのかも知れません。分かりにくくなるのでBで書いていますが。元の調がE♭major
ですから、短3度上への転調。いわゆるお馴染みの転調ですね。そして前のコードがB♭でした
から、五の和音同士のつながり。短三度転調の相性の良さに頼った進行の仕方です。ただ、その前が
アクロバティックな展開から(何度も出てきて耳なじみになっているとは言え)B♭に解決してきた
のを、いきなり転調ですから結構びっくりする箇所でもあります。そのびっくり感を解決するかの
ようにすぐに一へ解決してG♭majorへの転調を強調しています。その後はわりと普通。四→三→二→三
ときて、2回目にはその二→三の三をメジャーにすることで元の調の五へ至るという調の戻り方です。
むしろここで特筆すべきは小節数ですね。後半の4小節を繰り返し、その繰り返しでブレイクのために
1小節増している。(2回目のBメロで1小節足すのと同じ効果で)その結果ブリッジが13小節という
いびつな構成になっているのです。非常に自然に流れるような(わりあい普通なコード進行はその
ためにあえてそうしているかも知れませんが)印象を与えますが、この13小節といういびつさは
聴き手の無意識に絶妙な効果を与えていると考えます。

こんなところですかね。最後のサビは最初の落ちサビの部分のマーチングみたいなドラムとか、
2回目の繰り返しのメロディ・フェイクとか、最後のアウトロの2拍3連とか、細かいところを
言えばきりがないので。全体として高揚感のある曲調と熱い(でも匂い立つ)歌が印象的な中で
全編に散りばめられたJazzのフレイバーがこの曲の高級感を高めていることがお分かり頂けた
のではないかと思います。

今週はこれ以上更新できないので、続きは来週。もう少し楽理解説を続けます。
posted by なんくい at 08:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月27日

五五七二三二〇がまたエライことになっている件

一年前に紹介した五五七二三二〇という謎のユニット。これはココナッツサブレを
宣伝するためのユニットで、私立恵比寿中学が扮しているのですが、1年の沈黙を経て
再始動。というのも、どうやらココナッツサブレが小分け化されるとのことで(確かに
小さくなったら買いやすいわね)このユニットも小分け、という訳の分かんない展開。

しかも、その小分けされた4つのユニットがイチイチこのブログ的に面白い!というわけで
急遽紹介するページを設けたってわけです。

先ずはRYO the SKYWALKERが手がけた「シラケナイ」。完全なレゲエ仕様です。


これだけでもかなりイっちゃっていますけども、さらに続きます。なんとbanvoxが手がけた
「The Colorful World」(副題は長すぎるので省略)


やいbanvox遊びすぎだろ、と言いたくなりますが、それがこのユニットの真骨頂。つまり
やりたい放題なわけです。調子に乗って次はU-zhaan(ニセレキシでおなじみタブラ奏者)
が手がけた「ガラパゴス・ビスケット」個人的にはこれが一番好き。


ちょっとドラムンベースっぽくも聞こえてしまうこのトラック。本気出しすぎだろう!
と本業の方が心配になってしまう素晴らしい出来。そしてしんがりはHIFANAが手がけた
「小腹にデンデケ」実はとてつもないゲストが参加しているのですが、それはタイトルから
想像が出来ることでしょう。


なんとベンチャーズが参加しているんですって! つまりあのギターはホンモノがやっている
てことなんです!! 悪ふざけもここまで来れば・・・てか、どんなふうに仕事を依頼した
んだろう? 本人達出来上がりを聴いてもさっぱり意味が分かんないでしょ!(全然気にしない
人達だという説もあり)

いかがだったでしょうか。これまた十分に楽しめましたね。どうやら、ココナッツサブレに
動きがあるたびに、このユニットが駆り出されるようです。なので、是非とも新しいココナッツ
サブレの小分けしたやつも食してみませう。
posted by なんくい at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月25日

サブスク時代の洋楽楽理解説 #9 Anita Baker「Talk To Me」

今週は楽理解説weekとします。ちょっと忘れ物も多数見つかったので、頑張って
宿題をこなさないといけませんww

先ず最初は毎月恒例の洋楽紹介コーナー。今回のAnita Bakerはちょっと推したい
んですよ。個人的に好きだというのもあるのですが、もっと聴かれていいアーチスト
だと思います。そこで、今回の楽理解説を使って、とある仮説を実証したいと思って
おるわけです。それは、昨今の渋谷系リバイバル的な日本の動向の、その源に今回
紹介するAnita Bakerの1990年に出した『Compositions』というアルバムがある、
という、これまであまり誰も言っていなかった仮説です。さあ、どうなることか。

Anita Bakerというと1980年代にヒットを飛ばしていて、ブラック・コンテンポラリー
の一人として位置づけられますが、その中でもちょっと異質というか、似た感じの
アーチストを指摘するのが難しい気がいたします。一部では「クワイエット・ストリーム」
とか呼ぶそうですが、都会的でスタイリッシュな雰囲気で、ソウル色とJazzyなフレイバー
が印象的で、どのアルバムも秋の夜長に似合う音楽です。

そして今回紹介する『Compositions』は、Anitaが最もJazzに接近したアルバムと言える
でしょう。それほど日本では話題にならなかったのですが、今聴いてもらうと気に入って
いただけると自信をもっておススメしたいのは、そのJazzyなテイストによるところが大きい
でしょう。完全なJazzマナーなのは、バラードの「Love You to the Letter」くらいですが、
和音の使い方などが、かなり本格的にJazzのそれなんですよ。

そこで今回取り上げるのが、その1曲目に収録されている「Talk To Me」です。


いかがですか。この季節にピッタシでしょう。イントロもヴァースもコーラスも全部サイコー
ですよね。何といっても曲がいいわけですが、早速その曲の良さにメスを入れたいと思います。

先ずイントロ。早くもAnitaのスキャットが堪能できるパートですが、ここのコードはこうなって
います。(アウフタクトのところはコードになっていないので省略。まあ実質Dなんですけど)
   |Gmaj7|F#min7|Fmaj7|Emin7・G/A|
   |Gmaj7|F#min7|Fmaj7|Emin7・G/A|
いわゆる四のコードから始まる下降クリシェと言っていいでしょう。3小節目の♭三の和音が今どき
っぽく聞こえるでしょうね。そしてAnitaのスキャットも、4小節目や6〜7小節目のブルーノート
(F#がフラットになってFっぽく聞こえる。これがブルースの色を濃厚に匂わせる)が印象的です。

そしてヴァース(Aメロ)。ここもカッコイイですよね。コードはこうなっています。
   |Dmaj7|G/A|Dmaj7|C#min7・F#aug add-9|
   |Bnin7|E7 add9|Emin7・DinF#|Gmaj7・G/A|
   |Dmaj7|G/A|Dmaj7|C#min7・F#aug add-9|
   |Bnin7|E7 add9|Emin7・DinF#|Gmaj7・G/A・F#aug/G#|

8小節のパートを2回繰り返している訳ですが、その8小節も3−3−2と分けられる。
そういうつくりになっています。最初の3小節は実質一→五m→一というドミナントを
マイナーにした展開(四の調からの借用なので、ちょっと明るい色彩が出る)で動きの
少ない箇所。そこから4→5小節目でポップスの黄金律のようなコード進行でマイナーに
展開させる動きのある箇所へ。ここもF#のところの和音がテンション・コードで、ここの
陰りが絶妙ですよね。で、ここで効いているのが6小節目のコード。二の和音をメジャーに
したもので(今度は五の調からの借用)ここでふくよかな感じを出すことでバランスを
とっている。そしてあとの2小節目はコードを細かく動かして(上昇形で五の和音へ向かう)
解決へ向かいます。ちなみに16小節目はサビに向かうために、そこから半音下へつなぎの
和音を挟みますが、ここの和音も非常にJazz的(ドビュッシーの全音階を意識した、増和音
を使った分数コードです)です。これは最近Jpopでもよく使われますね。

そしてコーラス(サビ)です。ここもコードから行きますね。
   |Gmaj7|Faug add-9(あるいは-10)|Bmin7|Amin7・Amin7/D|
   |Gmaj7|Faug add-9(あるいは-10)|Bmin7|Amin7・Amin7/D|
   |Gmaj7・F#min7|Emin7・G/A|
1〜8小節目は「Just a Two of Us」などで聴かれるおなじみのコード進行ですね。
(Negiccoの「ニュートリノ・ラブ」なんかもそう)2小節目のテンションコードが
オシャレですが。そこから9〜10小節目で細かくコードを展開させてまとめに入る。
ここが小節として余っている箇所で、ここが効果的に聞こえるんですよね。まあ
イントロの4小節を省略したものと捉えることが出来るのですが、サビの続く感じを
裏切るような印象を残し(2小節余って聞こえるのもそれを助長する)非常にシャープに
コーラスを終わらせるわけです。

そして2コーラス目はヴァースが8小節と短くなる以外は同じです。そしてコーラスの後に
ブリッジに行くわけですが、これがイントロのコードを同じなんですね。そしてメロディも
イントロのスキャットがその予告だったと分かるようなメロディが歌われます。

その後、落ちサビのような感じで、ヴァースに似た展開のパートが続くのですが、ここが
微妙にコードが違うんですよ。
   |Dmaj7|Amin7/D|Dmaj7|C#min7・F#aug add-9|
   |Bmin7|DaugJ7/E|Emin7・DinF#|Gmaj7・G/A・F#aug/G#|

ポイントは2小節目と6小節目ですね。2小節目は元のコードと中身は同じで、ベースを
動かさないだけです。ここでベースを動かさないことで、後半の動きを際立たせようとして
いるのでしょう。そして6小節目にピークが来るように作っていますが、その6小節目で
なんと冨田コードを使っているんですね。ここではそのコードを強調するようにピアノが
アルペジオを奏でていますし、Anitaのボーカルもここに向かって最高音に到達しています。
(厳密には前の小節辺りからですが)ここが楽曲のヤマなんでしょうね。

そして最後のコーラス。ここが次の8小節のリフレインとなっています。
   |Gmaj7|Faug add-9(あるいは-10)|Bmin7|Amin7・CaugJ7/D|
   |Gmaj7|Faug add-9(あるいは-10)|Bmin7|Amin7・Amin7/D|

ここでも4小節目のコードの変わり目で冨田コードを使っています。(奇数回で使っていて
毎回でないのですけどね)そして、Anitaがフェイクで魅力的な歌唱を見せながら、リピート&
フェイドしていきます。

ご覧の通り、このブログの楽理解説でも出てきたおなじみのコードが顔を出すことがお分かり
頂けるのではないでしょうか。このブログでは渋谷系リバイバルの音を取り上げることが多い
ですので、その元祖と言える、という私の主張も納得いただけるのではないでしょうか。

ここ数年の渋谷系リバイバルの動きをコード的に総括しちゃうと、Jazzのコードの受容という
ふうに位置付けられるのかなあと考えます。それは田島さんがJazzのコードを勉強されている
ことからも言えそうなのですが、そうやって取り入れられた手法が20年以上前のAnita Bakerの
音からも伺えるのは、非常に興味深いと思いませんか。

一口に渋谷系リバイバルといっても色んな動き(それこそシティ・ポップのブームとか)が
ありますが、それらの動きを辿っていくと、ちょうど遠近法の消失点のような位置に、今回
取り上げたAnita Bakerの『Compositions』が存在するというのが私の見立てなのですが、
いかがでしょうか。いずれにせよ。この2016年に是非再評価の機運を高めたいと考えている
アーチストでございます。

次回は11月ですね。ということでAztec Cameraの「Walk Out to Winter」を取り上げます。
こちらも色んな意味で源流ですよね。知らない人は是非予習しておいて下さいね。
posted by なんくい at 11:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする