2017年05月02日

祝30周年!エレカシの極私的30曲(11)遠い浜辺

エレカシの極私的30曲。エレカシのブレイク期の楽曲を特集しています。

今回から取り上げるのはアルバム「明日に向かって走れ〜月夜の歌〜」
から。このアルバムは今日に続く王道エレカシ路線が確立された記念碑的
アルバムだと言われています。ブレイクしたアルバムですし。

ただ、エレカシの王道が確立したというのはアルバムが出てからの話で、
それがアルバムという形をとるまでは、そこまででもなかったんですよ。

というのも、前回の記事で述べた「エレカシがファンと共に大人になっていく過程」
という文脈があったからで、当時は「エレカシふつうのロックにんっちゃうのか問題」
と要約できる問題が、ファンの間で物議を醸していたわけです。

それは、前作のアルバムが発売された後も続き、このアルバムに向けてのシングルでも
続いていたわけです。エレカシ側も、ポップで前向きな「明日に向かって走れ」に続き
ハードな「戦う男」をリリースと、振れ幅のあるシングルをリリースして、ファンを
戸惑わせていました。

ディープなファンの間では「明日に向かって走れ」は評判が悪く「戦う男」は評判が
良かったですね。まあハードなエレカシ欠乏症みたいな風潮がありましたし。ただ
この曲もタイアップ・シングルでして瞬間風速的な曲でもありました。ですので
従来のハードなエレカシが好きな人には、その不満をちょっと解消するのにすぎない
曲でもありました。

しかし、「戦う男」のシングルを勝った人は、おそらくエレカシの新しい姿に満足を
覚えた人も多かったのではないでしょうか。その原因となったのが、今回紹介する
「遠い浜辺」という曲なのです。

この「遠い浜辺」は「戦う男」のシングルのカップリングとしてリリースされました。
今でもアルバム「明日に向かって走れ〜月夜の歌〜」に収められています。この曲は
ミディアム・テンポの抒情的なナンバーで、それほどポップではないけども程よく
ハードで、抽象的な歌詞の世界と相まって不思議な魅力を放っている。

この曲で素晴らしいのは宮本さんのボーカル。そしてギター。フェイクもいちいち
カッコイイですよね。間奏のギターのカッティングも往年のエレカシ節という趣で
うれしかったですね。この曲で、エレカシが和のロックというか、日本的な情緒性を
ハードなロックに落とし込む、という本来の魅力に開眼したという見方も出来そうです。

そして特筆すべきなのが、この従来のファンを満足させられる名曲が、新しいエレカシの
音像から浮いていないところ。この曲を聴いて私は、新しいエレカシの落とし所というか
着地点が見えてきた印象を抱きました。これでエレカシは大丈夫だと。

そこから、運命の「今宵の月のように」のリリース〜いよいよアルバムが全貌を表すという
展開になるのですが、「今宵の月のように」についてはたっぷり述べたことがあるので、
今回はあえて外します。
posted by なんくい at 17:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする