2013年05月11日

映画「シュガーマン」に見る「ロドリゲス」の魅力

前の記事が重かったので、
少し肩肘張らない話題を。

先日「シュガーマン」という映画を見に行きました。
これは「ロドリゲス」という数奇な運命をたどったミュージシャンの
ドキュメンタリーで、今年のアカデミー賞を受賞したそうです。
(筋はあえて明かしません。びっくりするような話です)

私はその筋をあらかた知ってしまった状態で見に行ったのですが、
見た印象は「ドキュメンタリーというより、半分くらいは
ロドリゲスさんの曲のPVだな」というものでした。

もちろん物語の主軸はロドリゲスさんの数奇な運命なんですが、
思っていた以上に楽曲に光が当てられている。
デトロイトの街が描かれたという楽曲と、そのイメージ映像に
かなりの時間が割かれているんです。

といっても完全なPVではもちろんなく、途中でナレーションとか
入っちゃいますけども、そもそも映像自体がないとか予算とか
いろいろな制約がある中での措置なのかもしれませんが
個人的にはロドリゲスさんの楽曲の魅力が浮かび上がるような
つくりになっているように思えました。数奇な運命さえ
楽曲を味わうスパイスになっているくらい。
(それは極端すぎるか)
もちろんクライマックスは感動しましたけどね。
(当然ネタばれはしませんが、分かっていても問題なく感動できる!
音楽の素晴らしさと音楽がつなぐ人の思いが結実する名シーンだと思います)

そのロドリゲスさんの音楽性ですが、
いわゆる70年代のシンガーソングライターものに分類されるのだと思います。
その時代の多くのシンガーソングライターがそうであったように
「eclectic」(折衷的)と評される音楽性。彼の場合はフォークやブルース
そしてサイケデリックロックが 主成分で、歌詞に重きが置かれるスタイル。

その中ではサイケデリック色が彼の個性を際立たせていると言えるのですが
アレンジャー目線で見て、そのサイケデリアの秘密が伺える箇所を何箇所か紹介します。

先ず「I Wonder」という曲。


この曲で特徴的なのは、何といってもイントロのベースのリフでしょう。
(そこに、ちょっとしたリズムトリックもしかけてありますが)
このリフ、曲中のベースのフレーズで、次のコードに進む時のつなぎとして
使われている音形なんですね。それをカットアップしてイントロで使っている。
その繰り返しが非常に効果的なんですね。

次に「Crucify Your Mind」という曲


この曲で印象的なのはマリンバのフレーズでしょうか。
これはもともと、ギターのカッティングのフレーズなんですね。
それがブラスで強調され、さらにマリンバでも再現される。
同じフレーズの繰り返しが非常に効果を生んでいます。

というふうに、アレンジャー目線で見て、面白い仕掛けがそこかしこに見られるんです。
それが、彼の歌世界に不思議な奥行きを与えているように思います。

ロドリゲスさんの音は、この映画のサントラが主要曲を網羅していて便利です。
(そもそもがオリジナルアルバムも2枚しか出てないんですけどね)
シュガーマン 奇跡に愛された男 オリジナル・サウンドトラック / サントラ, ロドリゲス (CD - 2013)
posted by なんくい at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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