2013年06月29日

きゃりーぱみゅぱみゅを生んだ文脈

Jポップについて考える第3弾、今回は1つのアーチストを
考察してみます。それはきゃりーぱみゅぱみゅ。
クール・ジャパンの代名詞として安倍首相が取り上げるくらい
(しかし再登板した安倍首相、ファンサービスの勘所が分かったみたい
 ですね。もともと滑舌がよくないのに噛みながら連呼してくれたり)
海外でも大人気ですね。

私は「つけまつける」「CANDY CANDY」といったシングルが出て
気になり始めた頃TVできゃりーの特集をしていて、
そこで大阪の男性ファンがきゃりーの魅力を聴かれて
「オリジナリティーです」
と答えていたのを聞いて非常にお腹におちたのを覚えています。

つまり、ファンは「これまでにない音楽」としてきゃりーを見ている
ということなんですよね。それでいて「既成概念から自由になろう」
というきゃりーのメッセージも踏まえたコメントでもある。
こういう理解度の高いファンに支えられているのは幸福な状況ですね。

きゃりーぱみゅぱみゅの「新しさ」それはキャラクターの新しさだと思います。
ダブステップとかドラムンベースとか、新しいジャンルの音楽ではない。
基本エレクトロ風味のポップスに琴の音やらマーチング風味やらあれこれ
詰め込まれている(ニューアルバムでは和太鼓まで登場する)
むしろレゲエとかハードロックとかなんでも取り入れてもいいんです。
それをきゃりーが取り入れるときゃりーの音楽になる。

しかし、きゃりーのオリジナリティーを認めた上で、それを生んだ
文脈を考察しないとJポップの考察には生かせません。
きゃりーの音楽は突然変異的に生み出されたものではありません。
そこへ至るJポップの豊富な鉱脈があるわけです。

よく言われているのは「原宿」というキーワード。ここは渋谷系と
アキバ系(秋葉原)の出会うところだとある人が言っていました。
きゃりーぱみゅぱみゅのキャラクターってアニメっぽいですよね。
音楽を手がける中田ヤスタカさんはピチカート・フォロワーから
独自のエレポップを確立した人で、渋谷の色が強い人です。
近年、声優さんが渋谷系のアーチストを取り上げる傾向が出てますが
(今年出た花澤香菜と竹達彩奈の新譜はどちらも非常に良かった)
そことも響きあうところがあると思います。

次に、きゃりーのキーワードとして、国際語となった「Kawaii」。
80年代から「カワイイ」という言葉は広い意味を持ちうる可能性があったのですが
少女民俗学―世紀末の神話をつむぐ「巫女の末裔」 (光文社文庫) [文庫] / 大塚 英志 (著...
きゃりーの「Kawaii」にはヘンなものとかグロいものすら入ってくる。
そういうものを「Kawaii」(私の言葉ではポップ)と見立てる、
そういう「見立て」の面白さがある。

そろそろ結論に行きます。みゃりーぱみゅぱみゅの音楽は非常にオリジナルでありながら
日本のサブカルチャー全般が培ってきた文脈を非常に反省させた最新形のJポップである。
あらゆるものを容れうる「きゃりーぱみゅぱみゅ」という王国に何が入ってくるかは
きゃりーやスタッフの「目利き」による、というところが非常に大きい。
この「見立て」とか「視点」あるいは「アレンジ」というところが日本の強みである。
というなんだかありきたりな結論になってしまいました。
(という意味では最新型の「日本」なんですよね)

なんだか一人東京ポッド許可局みたいになってますが
http://www.tbsradio.jp/tokyopod/
こんな調子でもう少しJポップについて考察を続けます。

私なんかとは関係なく売れまくってますが、記事にさせてもらったお礼に。
なんだこれくしょん(通常盤) / きゃりーぱみゅぱみゅ (CD - 2013)
posted by なんくい at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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