2017年03月18日

「応援歌の系譜をたどる」#11 応援歌の「テンプレート化」という落とし穴

久しぶり。というより前回の「いきものがかり」の記事からはなんと1年近くも
空いてしまいました。てか、色んな企画が滞ってしまっているので大変申し訳ない
のですが。まあぼちぼち再開していきますね。

ただ、こちらの連載は記事が滞ったのにも理由がありまして。前回の記事にも書きましたが、
この連載をしていて大きな問題にぶち当たった。その問題を整理するのにちょっと時間が
かかってしまった。というわけです。忙しくて更新できないだけではないよ。(他の
連載記事はそういう面もなくはないけど。ただあんまし考えているヒマがないんだよなあ)

その文脈を理解してもらうために、一応ここで連載記事の一覧が読めるので、
どうぞご覧ください。

応援歌の系譜をたどる

これを通して読むと、今回の問題意識は連載当初からそれなりに念頭にあったと言える
でしょう。というより、ブログ開始当初の歌詞の考察の最初の記事でも、似たような
問題意識を述べております。

なんだか勿体ぶって本題に入ってこないように感じるかも知れません。その問題意識とは
今回のタイトルで述べた「応援歌の『テンプレート化』」という問題です。というより
このタイトルで、そんなに鋭くない人でも「ああ、そういう問題ね」と概要が分かって
しまっているんどえはないでしょうか。それくらいキャッチーな言葉でしょう。今回
このタイトルを思いついたので記事にした、という面もあるくらいです。

一応概略を説明しておくと、応援歌の歌詞に一定のパターンが出来てしまって、
そのパターンに書き手も聴き手も(←こちらが実は重要!)囚われてしまう、と
いうことです。これは、別に応援歌に限らずすべての表現が持ち合わせている
問題と言えるのかも知れません。表現の固定化といってもいいかもですね。

ただ、それらの問題が応援歌というジャンルについては顕著に表れてきてしまう。
そんな構造的な問題を、応援歌というジャンルは抱えているのではないか。

この連載は比較的丁寧に一つ一つの表現を拾って考察しています。なので、その表現の
核の部分というか、深みの部分を味わうことが出来ています。しかし、あまり何も考えずに
聞けば、「なんか応援している。ウザイ」とか、あるいは応援歌に聞き惚れている状況を
「歌なんかに励まされてる。サムっ」と引いて観たりする面もあることでしょう。
(それは、そういう人がいる、という話ではありません。誰の心の中にも、そういう面が
 ひそんでいる。表面化するかしないかの違いだけで、という話)

そうでなくても、今回連載で集中的に応援メッセージを聴かされると頭がクラクラして
しまう。それは、他人を応援するという表現にはそれほどバリエーションがなく、
しかも一つの表現者のものとなると、そのバリエーションも狭まってくるという面も
あるのでしょう。(他の連載の場合は、それほどたくさんは見ていなかったことが
バレバレですね。いきものがかりの場合は100曲以上見たもんなあ)

しかも、応援というメッセージを集中的に浴びるとある種の抵抗のような気持ちが
襲ってくる、という面もあるのかも知れません。よく「頑張っている人に『頑張って』
と励ますのはかえって相手をバカにしている」なんて物言いがありますが、応援という
メッセージの持つ難しさも、そう感じる要因かも知れません。まあ応援が本当に必要に
なる場面なら別なのかも知れませんね。今回はそういう意味では野次馬的に応援歌を
見ていた面もなきにしもあらずですから。

じゃあラブソングはテンプレート化しないのか、というと、一部にはそういう面もある
のかも知れませんが、愛というものの多様性のせいか、これだけ多くのラブソングが
作られてもそれほどテンプレート化してはいません。(ジャンルをもっと細かく限定
しないと、テンプレート化しないでしょうね。ラブソングは広すぎるよ)

この「応援歌のテンプレート化」という問題。実は聴き手以上に作り手の人も苦しめる
んだと思うんですよ。自分の作り出したスタイルが表現者を苦しめる、というのはどの
ジャンルの表現にも多かれ少なかれある問題でしょうが、応援歌とか強烈なメッセージを
投げかける表現の場合、しかもそれが世間に受け入れられた場合、そのテンプレート化の
問題は色んな面で表現者に返ってくることもありましょう。この連載でも取り上げた
大事マンブラザーズバンドの問題は、その一つのサンプルと言えるのかも知れません。

そう考えると、いきものがかりの「放牧」は良いタイミングだったのかも知れませんね。
外目には3人とも健全そうに見えますが、実は想像以上に反作用が彼らを蝕んでいたの
かも知れませんし。彼ら自身が意識していなかったとしても。

この「テンプレート化」の問題に関連しては、一人紹介したいアーチストがいます。この
ブログ開始当初から温めていた企画ではありますが、まさかこんな文脈で紹介するとは
思ってもいなかった大御所です。次回は、特別篇としてお送りする予定です。
タグ:応援歌
posted by なんくい at 10:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌詞の考察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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