2013年10月06日

洋楽虎の穴6 自分へのご褒美にiTunesのトップ10に入っている洋楽を聴く

洋楽虎の穴です。前回はたまたまおすすめチャンネルに上がっていた
Alex Dayというアーチストを聴きました。

日本ではまだ知られていない人らしく、英語版でのWikipediaで説明がありました。
まだ24歳のイギリス人で、YouTubeで人気に火がついたらしいです。
Chameleon CircuitというのはYouTube仲間でのバンドとか。Doctor WhoというTV番組
のファンで、そのために曲を(勝手に?)書き始めたとあります。
一応、日本でもiTunesで音を買えるようになっていますね。

さて、懸案の「くそったれの世の中」も完成したことですし、洋楽でも聴いてみよう。
ということで、例によって闇鍋的に進めていこうと思います。今回はiTunesのチャート
を見て選びました。トップ10の中に洋楽のアーチストが3組(コンピは除く)入っていて
その3組の音をYouTubeで探して聴いてみることにします。

先ず栄えある第1位に入っているJustin Timberlakeさん。この人名前はちょくちょく
聴きます。苦手なタイプのアーチストじゃないかなあ、と早くも警戒感ばりばりです。



おっと。いいじゃないですかー! 70s〜80sのディスコマナーな曲で、イントロから
フィリー・ソウル風のストリングスにやられました。スネアも何もかもツボですね。
でも、これは80s風味だから好きになるのも当然かな。



これは一転、2000年代マナーな曲調ですが、これも悪くないぞ。メロディが
結構いいんですよ。この人の声も変ないやみがなく、すんなり入ってくる。
人気者なのも納得の出来。



スローでおどろおどろしい頭の部分から一転、ごきげんなディスコチューンになります。
こちらはサウンドの質感は今風ですが、風通しのよいサウンドでいやみでない。
「いやみのなさ」はこの人の持ち味なんでしょうかね。

続いて第3位に入っているNellyというアーチスト。Hip Hopというジャンルですね。



革新的なサウンドに乗せてクールにラップしていますね。サウンドもMissy Elliotの
延長線にあるような感じ(その辺まではHip Hopも追ってたんですよ)でGood。
今回、当たりが多い気がします。



フォークっぽい入りからちょっとロックバンドっぽい乗りの曲が始まります。
これがHip Hopと言われても首をかしげてしまう曲。最新のロックバンドの曲と
言われても信じてしまうかも。ロックとHip Hop/R&Bの垣根がなくなってきている
現れでしょうか。

次に行きましょう。8位に入っているAviciiというアーチスト。ハウスという分類ですね。
エレクトロ系なんでしょうか。



と思ったらなんとカントリー調の曲が始まった。ボーダーレスもここに極まれり!
と思ったらダーティーなシンセ音が入ったり、ところどころエレクトロっぽさが顔を見せます。



こちらはピアノがフューチャーされた4つ打ちチューン。でも変なところでブレイクが
入ったり、なかなかあなどれない展開を見せます。エレクトロ・シーンでも異端なんじゃ
ないかな。楽曲の造りが下世話だから、大衆受けするでしょうが。

個人的にはこういうトラックの方がお気に入りです。


途中でポリリズムが入ったりして面白いと思いますね。いろいろ聴きましたが
基本下世話なのが持ち味の人かなあと思いました。

今回、まさしくご褒美と言えるくらい収穫が多かったです。とにかくJustin Timberlakeは
要チェックだな。
posted by なんくい at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月10日

歌謡曲探求3 新御三家の個性

歌謡曲探求の第3回。今回は男性アイドルを取り上げようと思います。
これまで一度も男性アイドルを取り上げてきませんでしたが、現状の
ジャニーズ独占状態が自然なことだとどうしても思えないので、
素直に応援できないんです。好きな曲はありますけども。
そこで、それ以前の「新御三家」を取り上げます。

私、新御三家では断然ヒデキ派です。好きな曲もヒデキに集中しております。
今現在もメジャーなのは郷ひろみさんなんですが、彼はちょっとお笑い色が
あるというか、かなりコミカルな持ち味を持つ歌手だと思うんです。
だから曲もちょっと笑えるというか。それに反発してか、大人のバラード路線に
走ったりした時期もあるんですが。だって樹木希林さんとデュエットですよ。
(番組での共演からの企画物ですが)そういう離れ業を出来るのも彼の持つ
キャラクターゆえ、だと思うんですね。(決してけなしているわけです)

忘れもしないのはイチローがブレイクした年のオールスターで郷ひろみさんが
「君が代」を歌ったんです。その瞬間笑いが起きたという事件がありました。
(アレンジもぶっ飛んでいたので彼だけの責任ではないんですけどもね)
後にも先にも君が代を歌って笑いが起きたのってこの時だけだと思います。
(探せば聴けますので。当然リンクは貼れません!)

ですから彼のアイドル時代の曲は曲はいいんですが、詞は突っ込みどころが
けっこうあって、そこを突っ込むことを含めて楽しむ曲なんですね。
(それは絶対に確信犯なんですけども)
私のイチ押しは「哀しみの黒い瞳」これはフレオ・イグレシアスの「Nathalie」という
曲のカバーなんですが、先に「Nathalie」を聴いてから聴いていただけると、絶妙の
味わいが分かっていただけると思います。そう来たか、という。
他に好きなのは「いつも心に太陽を」「もういちど思春期」「林檎殺人事件」辺り。

西城秀樹さんは熱唱型で有名ですよね。「ヒデキ、カンゲキ」みたいな。
ただ個人的にはそういう熱唱系の楽曲はトゥーマッチでして。
当時は好きだったですけどね。
ただ、ちょっと抑え目の曲に実は名曲が多いんですよ。
「聖・少女」とか「ギャランドゥ」「愛の園」(←なんとStevie Wonderのカバー)
オフコースのカバーだった「眠れぬ夜」辺り。後過小評価されて悔しいのが
「勇気があれば」。筒美京平先生の渾身の名曲だと思うんですけど。

野口五郎さんは演歌歌手としてデビューしていたんですね。そのせいか、どこか
和の雰囲気がありました。ちょっとフォークっぽいというか。ですが彼が一番
音楽への造詣が深いんですけどね。今現在、自宅にスタジオを作って、そこで夜な夜な
モノマネタレントを呼んで悪巧みをしているとか。(CDになっていました。)
PARADOX~NEWCOVER~ / オムニバス, 市原利夏, 星奈々, ビューティーこくぶ...
こういう芸が出来るというのも、音楽愛(とスキル)の賜物だと思うんですけどね。
好きな曲は「19:00の街」「コーラス・ライン」「グッド・ラック」「青春の一冊」
後過小評価されているのが「むさし野詩人」筒美京平さんのアレンジが絶妙です。
(曲は佐藤寛さん)

野口五郎さんだけiTunesがありました。分かってるぅ!
GORO THE BEST '96
筒美京平ウルトラ・ベスト・トラックス
posted by なんくい at 23:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月11日

「ロキノン系」という言い方について思うこと

期待していた亀田音楽専門学校の「アゲアゲの転調学」が大外れで
少々ご機嫌ななめのなんくいです。音楽理論を知らない人向けだから
仕方のない面もあるのでしょうが、先ず史実が間違っている!
シークレット転調(1コーラス中に転調すること。これをシークレットと
言うのもどうかと思うが)は日本独特で、小室哲也さんが元祖だと?
クラッシックがどうだとか無粋なことは言わないけど、少なくとも日本独特
ではないです。そもそもジャズから始まったポップスの転調の系譜があり、
ロックの世界でもビートルズやビーチボーイズ、さらにはアンジェラさんの
好きなビリー・ジョエルだって巧みな転調をしますよ。

そもそも日本の転調文化だって、その海外の影響を受けて先鋭的な作曲家が
ちょくちょく取り入れてきたわけで。筒見京平さんや林哲司さん、あるいは
財津和夫さんなど、転調を売りにした歌謡曲の作家さんもいますよ。
相手が一流のプロデューサーでも、間違っていることには一歩も引きません。
その辺のところ、詰めが甘いんじゃないですか? 他にも「キーを合わす為」
とか、お粗末な説明も止めていただきたい。

当ブログでもコード理論で転調を理論的にがっつりやるつもりですが、今のペース
だと1年半後くらいになりそう。ちょくちょく楽曲解説はしますけどね。

本題に入ります。(最近このパターンが多いなあ)本題もちょっと文句言いで
大変申し訳ないんですが、今日は「ロキノン系」という言い方に腹が立つという話です。

その前に私、高校の時からロッキング・オンを読み始め、本格的には90年代中頃から
2000年代中頃の約10年ほど、非常に熱心に読んでいました。「株主」と言ってもいい
くらい、ロッキング・オンの出している雑誌は買っていましたね。

というくらいハマっていたので、影響を受けていないといったらウソになります。
今はHPを時々チェックするくらい(時々立ち読みはしますけど)で本当に読まなく
なりましたけど。そういうわけであの会社を応援する心情はあるのだと思います。

ところで最近「ロキノン系」という言い方が幅を利かせていますよね。もう既に
一般名詞化しつつあるのかも知れませんが。アンチの人の他、自分のような元
熱心な読者も結構多用している気がいたします。(自分は卒業したよという印?)

まあどんな言葉を使おうと別に構わないのですが、この用語に何か揶揄的な側面、
もっと言えば侮蔑的なニュアンスを感じてしまってイヤなんですよ。

確かにあの雑誌には一種独特の濃さがあります。吉本隆明の文芸評論に影響を受けた
難解で文学的(それでいてやたら高揚感のある)な言い回し。仮想敵に対する
攻撃的なスタンス。読者がそれに影響を受けすぎて宗教くさく見えること。等々。
(渋谷陽一さんは「思想だ」と言うでしょうけども)

それを批判するのはむしろ健全だと思うんですよ。ですが「ロキノン」とか言ってる人は
何か上から目線なんですよね。そういう人が渋谷陽一さんや山崎洋一郎さんに音楽の
造詣の深さや見識の高さで勝てるわけないのに。「何勝手に上に立ってんだよ」と
思ってしまうのです。

ロッキング・オンにとって不幸だったのは、カウンター的な位置づけだったのが
メインストリートに上り詰めてしまったこと、だと思います。その時にまだ挑戦者
のくせが抜け切れなかった。王者になり切れず、独特の党派性を捨て切れなかった。

私は彼らに素晴らしい音楽をたくさん教えてくれて感謝していますが、その一方で
そこにはまり過ぎたせいで聞き逃した素晴らしい音もいっぱいあるなあ、と残念に
思ったりします。(それは自分が一方的に悪いんですけどね)そういう裁量の狭さ
みたいなものは、現状のあの会社には得を生んでいないように思うんですが。

私は音楽ジャーナリズムは必要だと思いますし、それこそ「ミュージック・マガジン」
とか様々なものを読んで、その中から自分なりの音楽観を生み出していくのがベスト
だという当たり前の結論になりつつあります。今はかなり自由になりました。

と言いつつ、あーゆう物言いって個人的には今でも大好きなんですよ。ただ自分には
ちょっと出来ないなあ、と思っています。私は理論的なところから語るのが持ち味
でしょうし。このブログは音楽ジャーナリズムではないです。あくまでも「作る」と
いう立場からいろいろな問題を考察していっている、というスタンスです。
何故それが必要なのか、というのは少しずつ明らかにしていきますが。

私の考える音楽ジャーナリズムはロッキング・オン(やムジカ、スヌーザー辺りも
ロキノン系?)の他、萩原健太さんや佐々木敦さんなど、いい仕事をされている
方達を言います。そういう意味ではロッキング・オン系が突出するのも良くない
のかも知れませんね。もっといろんなアプローチがあるべきで、もしかすると
私のやっている楽理に基づいた語りもそれに入るのかも知れません。
(でも繰り返しますが、私自身は音楽ジャーナリズムを目指さないですけど)

その意味で最近注目なのを紹介しておきます。
Real Sound|リアルサウンド‐音楽・アーチスト情報をレビューの総合サイト

このサイトは神谷弘一さんが始めた音楽総合サイトです。音楽総合サイトというと
「ナタリー」という有名どころもありますが(ナタリーはお笑いやコミックもやってます)
個々のアーチストのニュースやインタビュー中心のナタリーに対して、現象を掘り下げたり
よりジャーナリスティックな視点で展開しています。

最近、元ロッキング・オンの一世代若い方がより広い視野で活躍することが目に付きます。
神谷弘一さんもその一人ですが、このサイトでロッキング・オン系だけでない雑多な
視点を呼び込みつつ、掘り下げた内容を展開してもらえることを期待しています。
個人的には(ロッキング・オンに不足していると感じていた)音楽と社会という問題に
切り込んだ記事も見られるのが、うれしいです。

音楽ジャーナリズムというか、音楽を「語る」ということは何なのか、という問題は
これからも少しずつ書いていきたいと考えています。
ラベル:rockin'on
posted by なんくい at 19:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月18日

歌謡曲探求4 沢田研二の「革新性」

歌謡曲探求です。前回新御三家を取り上げたので、ジュリーを取り上げない
わけにはいかないでしょう。というわけで沢田研二さんを取り上げます。

沢田研二さんはザ・タイガースというバンドでデビューし、そこからソロになった
というキャリアを持ちます。ですからもともと音楽畑の人なんですね。ですが、
いわゆるシンガーソングライターみたいに自分で曲を作って、というスタイル
ではなく、外部の作家さんを主に使っているわけです。
(自分で作ってるのもあるんですけどね)

しかし、それが彼の強みとばかりにシングルごとにスタイルを変えていきます。
サウンドや衣装をガラッと変えて、次は何をするのだろう、とドキドキさせるような
存在だったわけです。化粧をしたりするところなんかは、今日のV系の元祖とも言える?

サウンドもロックっぽいものが多いのですが、突然テクノ調を取り上げたり、先鋭的
だったわけですね。それを一番のメジャーな歌手がやる。過激な存在でした。

そんな彼の曲を今聴くと、それがなかなか伝わりにくい! やはり音楽は進化している
わけですよ。懐メロに聴こえるのも仕方ないんでしょうね。

では楽曲単位でいくつか見ていきます。(音は各自探してください。だいたいあります)

◎巴里にひとり
 なんとフランスでもリリースされ、ヒットした(!)という曲。ですから外人さん
 (フランス人?)が作曲され、そういう雰囲気を持つ曲です。個人的にはこういう
 ムーディーな洋楽テイストの曲でのジュリーは色気あると思います。

◎LOVE(抱きしめたい)
 「勝手にしやがれ」に続くレコード大賞を取れなかった(最優秀歌唱賞でした)
 という曰くつきの曲。彼のダンディズムが凝縮された名曲だが、今日的な耳で
 聴くと大仰な(特にイントロ)感じに聴こえるかも知れません。

◎カサブランカ・ダンディ
 その次のシングルがこれ。振れ幅の大きさを感じていただけるでしょうか。
 ピアノがカッコイイですよね。個人的にはBメロの入り方のメロディが好き。
 ウイスキーを口に含んで吐き出すパフォーマンスが問題になったりしました。

◎OH!ギャル
 その次のシングル。グラムロックのバンドがポップな曲を歌うような雰囲気が
 ありますよね。ちなみにジュリー本人は大嫌いな曲だそうです。

◎TOKIO
 1曲飛ばして代表曲。テクノ・マナーなサウンドが先鋭的に聴こえたことでしょう。
 ピコピコシンセのフレーズが今日聴いても面白いと思います。

◎渚のラブレター
 この曲は触れておきたい! ジュリー本人の曲ですが、あえて「ソ」を抜くメロディ
 ライン(ドードードドーシラシーラファ〜と動くんです)にセンスを感じませんか?

◎ス・ト・リ・ッ・パ・−
 EXOTICSという新しいバンド(上々颱風にもいた安田尚哉さんがギター!)を従えての
 ロック仕様シングル。この辺からロック色を強めていく。

◎おまえにチェックイン
 「OH!ギャル」に通じるポップロック(グラム仕様)ナンバー。大沢誉志幸さんの曲
 なんですね。コーラスがジュリーと大沢さん、佐野元春に伊藤銀次という個人的には
 タマラナイ面子です。

◎背中まで45分
 これはちょっと革新的に聴こえるかも知れない。井上陽水さんの曲だそうです。
 ヨナ抜きかと思えばナナ(シ)を効果的に使うメロディが印象的。

◎晴れのちBLUE BOY
 これは紅白歌合戦で眩しすぎるライトという過激なステージで金杯(個人に贈られる
 最優秀賞。当時はそんなものがあったのです)を獲得した曲。ジャングル・ビートを
 導入した革新的なナンバーで、さすが大沢誉志幸さんと思いますね。しかも
 前のシングルが「背中まで45分」ですからね。個人的にも一番好きかも。

この辺りまでが彼のゴールデン・エイジでしょうか。彼の場合は、出来ればシングルを
順番に聴いてその変遷を追うようにしていくのが一番いいんですけどね。そういう企画の
ベストが出ないかなあと希望しますね。出たら買いますよ!

とりあえず、今日紹介した曲が一番入っているシングルコレクションをどうぞ。

https://itunes.apple.com/jp/album/royal-straight-flush-3/id208089769
posted by なんくい at 23:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月24日

歌謡曲探求5 プログレバンドだったゴダイゴ

歌謡曲探求の第5回。今回はゴダイゴを取り上げます。
私にとって70〜80年代の歌謡曲の中で最も好きかも知れません。
(渋谷系の祖先とか言われていますよ)

ゴダイゴの魅力はなんといっても楽曲の良さ! それに歌もアレンジも
(演奏も!)最高ですから、文句のつけようがありません。しかし、
どうしてこれだけ高性能なポップスがこの時代に登場したのでしょうか。
同時代の他の音楽と比べても傑出している。しかも大ヒットしているわけです。

ゴダイゴのことをよく知らない若い人も「モンキー・マジック」「ガンダーラ」
「銀河鉄道999」「ビューティフル・ネーム」は聞いたことがあるはずです。
これらは1978年と79年のヒット曲なんですよ。全然古さを感じないですよね。
(ジュリーが見事に懐メロになっているのと対照的です)

実はゴダイゴってプログレバンドだったって知っていました?私も最近まで
知りませんでした。YouTubeで『平和組曲』とか『新創世記』とか見て
衝撃を受けました。そうだったんだ。・・・

ゴダイゴはいわゆるスタジオミュージシャンの集まりだったわけですよ。
ですからシングル(やCM曲など)で注文に応えるようなことをやりつつ
アルバムなどでは自分たちのやりたい音楽を追求していた、というわけ。

でも実は音楽的スキルや知識があるからといって優れたポップソングが
作れるわけではないんです。ましてやプログレで優れた曲を生み出していても
ポップスではしょぼいという例は海外で山ほど見ていますから。
難解な曲を作る能力とポップスを作る能力は別物と考えるべきでしょうね。

しかしゴダイゴはそれを両立した。それはひとえにタケカワユキヒデさんの
メロディーメーカーとしての才能の産物でしょうが。さらにそんな楽曲に
各メンバーが持てる音楽的スキルをふんだんに盛り込んだ。ですから
これだけ高性能なポップスがあっと言う間にお茶の間を席巻したんです。

あとゴダイゴと言うと英語! 「モンキー・マジック」や「はるかな旅へ」は
完全に英語でしたし、日本語で歌っている曲も所々で英語が出てくる。
これも「他とは違う」という印象を与えるのに貢献していたでしょうね。
今ロックバンドで英語で歌ってヒットしている人たちはたくさんいますが、
彼らの元祖でもあるわけです、ゴダイゴは。

後、調べてみて意外だったのは、ゴダイゴが売れていたのは約2年あまりの間。
その間にこれだけ後世に残るヒット曲を連発していたんですね。何曲か同時に
ランクインしていたり、3曲にわたって9週連続2位なんて妙な記録も持っています。
(その間の1位は何だったのでしょうね)

高性能ポップスとしてのゴダイゴも、プログレバンドとしてのゴダイゴも
今の私達にとっては日本の財産ですから、ありがたく聴きたいものです。

GODIEGO 35TH ANNIVERSARY SELECTION
posted by なんくい at 23:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月26日

洋楽虎の穴特別編 Bruno Marsを攻略する

お久しぶりの洋楽虎の穴です。
前回の答え合わせから始めましょう。前回はJustin Timberlake、
Nelly、Avaciiというアーチストの曲を聴きました。

Justin Timberlakeは前回聴いた後、ラジオで西寺郷太さんが特集していました。
やはり2000年代のスターなんですね。今年2枚のアルバムを出したそうで、
今回聴いたのはそのいずれかから、だったようです。

Nellyは1999年デビューで「歌うようにラップする」というスタイルで人気を博したとか。
完全なロック調の曲があって私が戸惑っていましたが、やはりそういう人でした。

Avaciiはスウェーデン出身だそうです。2007年ごろから音楽活動を始めた新進気鋭の
DJだそうです。今回聴いたのTrueというアルバムはデビューアルバムだそうです。
レニー・クラヴィッツと競演したりしていたそうで、やはりボーダーレスな人のよう。

さて今回はBruno Marsという人を聴いてみます。実は前から気になっていたんですよ。
なんか苦手なミュージシャンの最右翼かなと思ったり、ラジオでかかっていて「おっ」
と思ったり。つかめないんですね。ですから、この人の全体像を掴みたいと思って
今回は特別編と題して、Biographyなども参照しながら代表曲を聴いていきたいと思います。

この人、ハワイ出身で幼い頃からレゲエ・R&B・フォーク・ロックなどに親しんだとか。
高校卒業と同時にプロデューサーチームとして音楽の世界へ入ったとか。そして2010年に
シンガーとしてもデビュー。和み系の美メロと爽やかな歌声で世界を魅了した。
とバイオグラフィーに書いてあります。

さて、その彼のデビューシングルで大ヒットしたのがこの曲だそうです。


そうそう。これ苦手なんだった。でも改めて聴くとそんなに悪くない。意外とビートが
効いていて、サビは美メロだと感じないけども、Aメロは悪くない。Aメロの後ろで
微妙に鳴っているピアノのフレーズが妙に印象的です。



これは2011年の曲。うんこっちの方がオーソドックスなR&Bバラードという感じがする。
と思うとこんな曲もありました。



これは戻って2010年の3rdシングル。小さい頃から聴いていたというレゲエナンバー。
でもいかにもR&Bシンガーが演るレゲエ、というテイストの曲ですね。



これは80年代のイギリスのニューウェイヴロックみたいな曲ですわ。なかなか全体像の
つかめない人ですね。



これは80年代ディスコ! やはり「今度は80年代ディスコ?」と話題になっているよう。
かなりハマっているんじゃないかと思うんですけども。グロッケンがいい味出している。
これが最新シングルらしいですね。これなら私もお気に入りです。

最後に公式YouTubeチャンネルに最新にアップされたPVを見ましょう。去年の曲らしい
のですが。例によって1分くらい寸劇があった後に曲になります。



分かったことは、私はこの人のバラードは今でも苦手だなと。アップテンポの曲は
どの曲もけっこうお気に入りになりましたね。それでも以前ちらっと聴いたほど
抵抗感がなかったのは、この人の全体像を掴んだからなのか、私の「耳」が変わった
からなのか。(この連載で結構洋楽聴いていますからね)

よし。苦手だ(と思っていた)Bruno Marsも「攻略」したぞ。洋楽なんでもかかって
こい、と今や強気になってきています。
ラベル:洋楽 Bruno Mars
posted by なんくい at 17:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月28日

R.I.P. Lou Reed

ルー・リードが亡くなった。

古い音楽が好きな者にとってはこういう事態は避けられないし、
追悼記事なんてあまり書きたくないんです。
(でもリアルタイムの音楽が好きでもカート・コバーンやエリオット・スミスの
 自殺なんて悲しい事件を経験したりしましたが)

ですがルー・リードは私にとって特別な人なんです。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドという伝説のバンドも好きでしたが
自分がリアルタイムで聞いていたMAGIC and LOSS(これが死をテーマにしたアルバム
でした)からSet The Twilight Reeling、Ecstacy辺りが一番好きでした。最近でも
メタリカと競演したりして。健在だと思っていたのですが。・・・
でも71歳じゃ仕方ないですね。(相当無理な生き方をしていたし)

音楽的なスキルというより(実はシンガーとしては相当上手い)存在が持つ説得力を
最も感じさせてくれたアーチストでした。まだ考えが整理できないですが。
今日はMAGIC and LOSSばかり聴いていそうだ。

Rest In Peace, Lou!
ラベル:洋楽 Lou Reed
posted by なんくい at 06:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Lou ReedのMAGIC and LOSS

今朝の記事はは訃報に触れてあわてて書いたものですが、
だいぶ落ち着いてきたので、ちゃんとした記事を書きます。
というのも、今ずべきことは彼を追悼することよりも、彼が生涯を通して
私達に問いかけてきたことを、今一度自らに問いかけることだと思うから。

ルーリードという人は、決して懐メロシンガーではなかった。いや、そもそもロックなんて
懐メロにはなり得ないというこちらのロック観を突き崩すかのように見事に「懐メロ」化
するベテラン・ロケンローラーの死屍累々の中で、彼の存在は数少ない「ロックが
現在進行形であること」の証でした。

であるから、彼が死んだ今、彼の残した音がどのように聴かれるのかが気になります。
Jeff Buckleyの歌声が今でも心の震えを生むように、彼の歌はリアルであり続ける
だろうか。そんなことを思ってしまいます。

といっても私なんかよりもルー・リードに詳しいファンはいくらでもいるし、
そういう人達を前に彼の生涯を総括する自信も度胸も私にはありません。
ただここでは彼の1992年のアルバム「MAGIC and LOSS」を紹介します。

このアルバムは親しい友人二人の死をきっかけに作られたアルバムだそうです。
ただこの前にアンディ・ウォーホールを追悼する「Songs for Drella」があって
(まさかのジョン・ケールとの競演!)こういうテーマが来るのは唐突ではなかった
印象はあります。

このアルバムはコンセプトアルバムでして、アルバム全体で生と死に関する思索を
行っているようなアルバムです。ですから各曲ごとに「主題」とか「状況」といった
副題がつけられています。

というとなんだか小難しいアルバムのように感じるかも知れませんが、確かに難解では
ありますが、1曲1曲を独立させて聴くことも当然出来ますし、重い曲調の曲が多い
ですが、それは彼の曲ではいつものことなので、むしろ歌モノとしては聴きやすいと
思ってもらって差し支えありません。
(当然アルバム全体を、歌詞カードを見ながら聴いてほしいアルバムですけどね)

死というテーマ故か、時折センチメンタルに流れるところもありますが(それ自体この
アルバムの美点ではありますが)、全体としてシリアスな問題意識と、それに逃げずに
対峙しようという意思に貫かれています。ですから最終曲「MAGIC and LOSS」の「結論」
にはえも言えぬ説得力があります。この曲は最後2分ほどアウトロがありまして、そこで
演奏がうなりを上げるのですが、本人は歌うべきことを歌い終えて悠々と立ち去っている
ような印象さえ受けます。

マジック・アンド・ロス / ルー・リード (CD - 2006)
ラベル:洋楽 Lou Reed
posted by なんくい at 18:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月01日

洋楽虎の穴7 Czecho No Republicがオススメする洋楽を聴いてみた

本題に入る前に、こういうニュースが入ってきました。
JASRACの公取審決取り消し 東京高裁「参入妨害」

詳しい考察は、判決文を読んでからにしようと思いますが、
ざっと思うことを少々書いておきます。

JASRACの徴収方式の問題点はこのブログでも取り上げました。
代表的にはこの記事でしょうか。そこでは「透明性」という視点で問題に
しました。今回の裁判は独禁法という観点からメスが入ったということ
でしょうね。個人的には独占かどうかにはあまり関心はないんですが、
(どこがやろうと、正当な方法でやってくれれば・・・と思いますし)
JASRACの独占性が崩れることで、著作権のいろいろな可能性が
開かれる、という可能性はあるかも知れないなあ、とは思います。

さて本題です。洋楽虎の穴です。前回は特別編でBruno Marsを特集したので
今回が第7回になるようです。(前回をカウントしないと)

実は私、最近気になっているバンドがいまして、Czecho No Republicという
バンド(チェコ・ノー・リパブリックと読む)でして。ちょっと得体の知れない
印象があって気になっているんです。(「Music」という曲はYouTubeにないですが)

Real Soundでインタビュー記事があるんですが、そこで「今の洋楽シーンは
かなりヤバイ」と言っているんです。「いろいろ聴きすぎて最近、自分がどこに
行きたいのかわからなくなってきたくらい(笑)」とも。面白そうじゃないですか。

そこで、そのインタビュー記事で最近気になるという洋楽を聴いてみよう、
というのが今回の記事です。

では行ってみましょう。最初はOf Monsters and Menというバンド。


「ブラスが入っていて北欧っぽい」と言っていたのでどストライクかな、と思ったら
全然違う。確かにブラスは大々的にフューチャーされているけども、ちょっと音響系
かなと思う静かなパートからハードロックかと思うドラムが入り込んできたりして、
かなり得体の知れない音。確かに冒険心は濃厚に感じます。



これを聴くとこのバンドが狙っているセンはかなり明確になってきますね。
「Mountain Sound」という曲がありましたがまさしくそういう音。森っぽさが
このバンドの持ち味かな。そういう意味では「北欧っぽい」んでしょう。
(北欧=スウェディッシュ・ポップみたいな先入観はいけないね)

次行きましょう。StarsというバンドはYouTubeが公式かどうか疑わしいので、
その元メンバーがやっているというYoung Galaxyを行ってみましょう。


こ、これは! いきなりピッチがずれているかと思われるシンセ音から始まり
(よく聴くとポルタメントを使っているみたい)80'sっぽいエレクトロなサウンド
(しかし音数が少なく静かな印象)の曲が始まる。なんて薄味なんだ。ベッド
ルーム・ミュージックを今やるとこういう風になるのか? 強烈な違和感。



いろいろ聴いてみて、ようやくつかめてきました。かなり面白いユニット
ですね。かなり狙ってこの異形な感じをやっているのでしょうね。「血圧の低い
サカナクション」という印象を持つ曲もありましたが、これを聴いてその血圧の低さ
こそがこのバンドの命だと諒解しました。居心地の悪さを表現しているんだね。

最後に聴くのはStarfucker。「エレクトロだがバンド」というのはいかに?


確かにこれは「エレクトロでバンド」だ。しかしYoung Galaxyの後だからか、
やたらと音が厚い。クラクラしそうでしたよ。

このバンド、最近はSTRFKRと表記していて(ヤバイ名前ですもんね)、その名義での
曲を聴いてみましょう。(これが最新の音っぽい)


これはなんか売れそうな色気を感じますね。ただエレクトロなサウンドは一歩
間違うと危険なトリップ感をはらんでいるような気もします。実は結構アブナイ
音楽なのかも知れないですね。この曲を超えるポップネスを手に入れると
化けるかも。

今回は3者3様に面白かったです。中でもYoung Galaxyの「ずらしの感覚」は
曲を作る立場としても勉強になりました。やはり洋楽の自由さは半端ないですね。
Jポップだけ聴いて井の中の蛙でいちゃいけないと痛感します。

今回の主役、Czecho No Republicの音も紹介しておきましょう。アルバム発売
したばっかりだそうで、今後の活躍に期待しましょう。
続きを読む
posted by なんくい at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月03日

絶望から希望へのアンセム

リリースも近づいたので、Negiccoの新曲「ときめきのヘッドライナー」
の記事を投下します。以前軽く感想を書いたときは、聴いたばかりだった
のでMeguさんの「準備はいいか?」の呼びかけの対して「え、ちょ、
ちょっと待って」と狼狽してしまったような醜態をさらしましたが、
今回は準備万端です。この記事のために譜面起こしまでしましたから。
(譜面に起こすと発見も多いのです)ということで、私の持てるスキルを
総動員して、この「ときめきのヘッドライナー」について語り倒します。

もしかしてまだ聴いたことがない人もいるかも知れないので、先ずは
PVを見てください。話はそれからです。


聴いていただけましたか? 最初「Negicco初のマイナー・チューンか?」と
思わせておいて・・・といういきなりのテンポチェンジ&アゲアゲの曲調へ
大きく変わるという、彼女たちの曲にはなかったパターンですね。

この記事のタイトルは「絶望から希望へのアンセム」としました。
「希望のアンセム」ではなく「絶望から」の部分が大事なのです。 

「ネガティヴ・ガールズ」という曲もありますが、Negiccoの3人はともすると
マイナスな思考に陥りがちな(そうならざるを得なかった苦難の歴史もありますが)
そういう感性を持つ子達です。一方でNegiccoのステージはよく「多幸感」という
形容詞が用いられるほど、非常に楽しく幸せな気分になれると言います。

その、一見相反する2つの要素が、まるでコインの表裏のように一体のものである
ということを、1曲で説明してしまったような曲なのだ、という意味なんです。

以前私は「Negiccoの曲にマイナー・キーのものがない」ということを書きました。
それを書いたときに「マイナー・キーの曲を歌うと、また違った説得力があるはず」
という予想があったのですが、今回その片鱗は見えたと思います。それはPVの
Kaedeさんの切なげな表情を見てもらうと分かると思いますが。ただその感慨は
3000光年ほど先へ吹っ飛ばされてしまうわけです。・・・・・・・・・

そしてそして、問題のサビですが、これ単体で聴けば、Negiccoのファンの方は
みんな好きだと思うんです。そして「西寺郷太がNegiccoに曲を書く」と聞いたとき
多くの人が期待した路線でもある。ただ、そのカードは切らないのだろうな、と
思っていました。connieさんがいるわけだし。・・・・・・・・

そのカードを、ここで切る?

もう曲が始まっているという、そんな時に?

いきなりアップテンポのリズムが乗っかって曲調が変わるぞ、となった時、
「どんな奇天烈な展開が来るんだ」と身構えたと思うんです。そこへ
思ってもみなかったど真ん中のストレート。あるいは顔面へのストレート。
(私なんてものの見事にきれいに「もらってしまった」くちですね)

最も欲しかったものが予期せぬタイミングで与えられると人は狼狽する
という社会心理学の実験みたいな底意地の悪いことをしやがりますね。

この2つのパートをつないでいるのがご存知「転調」なわけですが、
ここからそのテクニックをどこよりも詳しく解説しますね。

転調を考察する際に、大きく分けて3つの観点から考える必要があります。
「いつ」「どこからどこへ」「どのように」この3つです。

そのうち「いつ」は後回しにするとして先ず「どこからどこへ」から。
私の耳では元の調はGminor(ト短調)で転調先はE♭major(変ホ長調)。
下属調の平行長調への転調。主音にして長3度下へ転調しています。
実はそれほど多くない転調ですが、(「エリーゼのために」とか)
一応近親調への転調と分類されている転調です。ですから実は、
それほど奇抜な転調ではないんです。

次に「どのように」ですが、これも理論的には「きちんとした」手続きを
とった方法で転調がなされています。テンポチェンジのところでB♭になり
(これはGminorでは三の和音)そこからギターで長2度上のCを思わせる
フレーズを弾き、これが次のFmの副D(セカンダリー・ドミナント)に
なっている、というつくりですが、まだ理論編でそこまで行っていないので
何がなんだか・・・ですよね。(すみません)

要はギターがCのフレーズを弾いた時、次にFかFmに行くことは自然に
予測できる、ということです。D進行というのは解説したことがありますが
CからF(ないしFm)に行くということは最も自然な進行なのです。ですから
転調の作法としてD進行を使う、というのは最も自然な行き方なのです。

し、か、し! このFmからB♭(より正確にはFmin7→A♭/B♭)というのは
E♭majorの調にとってはツー・ファイヴという進行になっているんですね。
(二と五の和音という意味。二はサブドミナント、五はドミナントでしたね)
転調でトニック(特に一の和音)から始まらないと、次にどの調に転調したかが
すぐには分からないわけなんです。これは音楽を知らない人でも、無意識に
キーの収まりどころをさぐっているわけで、ちょっと宙ぶらりんになる状態が
続き、そこからだんだんに分かってくる、という効果を出すのです。

さらに、その宙ぶらりんの効果を強化しているのが、一種のリズムトリック。
「いつ」の部分です。テンポチェンジのドラムが入ってから5小節。奇数小節で
怒涛のサビに突入する。これだけでも唐突感を強めているのに、最後の5小節目が
ちょっと3拍子に聴こえるリズムトリックを使っているんです。
(実際は変拍子は使っていません)

ちょっとここ詳しく解説しますね。先ずMeguさんの「準備はいいか」が4小節目の頭から
(若干食い気味に?)入り、それに呼応するようにギターのCの音(単音かオクターブ)
が2拍目に入り、さらに5小節目の1拍裏から8分音符で3拍頭にかけてギターのフレーズ
が入りますが、先のCの音のインパクトが強いため(その前にもシンコペーションを多用
して拍を分かりにくくしてありますが)そこを1拍目っぽく聴いてしまう錯誤が起こり、
ギターの1拍裏がアウフタクト(前の小節の4拍裏)っぽく聴こえてしまう。その方が自然
だからです。そこで最後の小節だけが3拍でサビに入っているような錯覚を受けるのです。

分かりますかね。拍を数えながら何度も再生していただけると分かると思いますが。
こうしたリズムトリックと先ほど解説した和音の妙(途中まで何調か分からない)が
相まって非常にフェイントを受けたような不思議な感覚が残るわけです。

その感覚を解消しようと、繰り返しの2コーラス目にもう一度構造を解析しようと
(無意識にでも)聴くわけですが、ここにもいたずらが仕掛けられています。
2コーラス目のヴァース後半(私はA’と付けていますが)が一節少ないんですね。

1コーラス目では、E♭maj7からB♭に行き、そこからテンポチェンジが始まる
のですが、最初から速い2コーラス目は、E♭maj7のところからいきなり
A♭→Adim→B♭と展開し、そこからサビに行くわけです。1コーラス目と
全く違う手を使っているわけですね。この転調も合理論的に作られています。
前のE♭はGminorでは六の和音ですが、これをE♭majorの一の和音と見立てて
そこから四→五へと進む(Adimはつなぎの和音)、という、こちらはE♭に
転調するぞ、というのを分かりやすく呈示するつくりになっているんです。
しかしこのA♭→Adim→B♭と展開するのを1小節で展開しているので
(しかも奇数小節になるし)これまた唐突感を生んでいる。謎は解けない
まま終わるわけです。

転調の最大の効果は音の色合いを変えることで曲調をガラッと変えられる
ということです。(歌い手のキーのためでは断じてありません!)
この曲ではマイナーからメジャーへの転調で絶望→希望を表現する、という
非常にベタな展開ながら、転調の仕方に謎を残すことで、却ってそのベタな
展開に説得力を生む、という効果を作り出しています。それも、その両面が
矛盾なく結びついている、という彼女たちの存在あってこそ、ですけども。

しかしPVのグリッターな演出はこの曲に非常に合っていますね。CGの
観客はさすがにキモイと思いましたが。マキシマム・ザ・ホルモンかと
思いましたよ。

(このPVの2:20辺りからの観客を彷彿とさせます)

ジェーン・スーさんによるグッと来る歌詞にも言及したいのですが、
それは私でなくてもいろんな方が解説されることでしょう。
それよりも2コーラス回した後の、しっとり聴かせる間奏からの
怒涛の展開を私は語るべきでしょうね。特に3回目のサビでメロディを
止めてKaedeさんが「声を聞かせて〜!」と叫ぶところがありますよね。
ここはその前の伸びやかなメロディが余韻となっていて、かつ観客との
コール&レスポンス(それをKaedeさんがやるというチョイスも絶妙!)
も相まってウルッと来てしまう。でもそんな感傷を吹き飛ばすかのように
多幸感のある音が攻めてくる。結局曲終了まで泣きそうになりながら
笑って踊りまくる、というあまり他人に見られたくない反応をしそうです。

さて。この曲がどのようなチャートアクションを見せるかは気になりますが
そんなことよりも、一人でも多くの人に聴いて欲しいなあと思いますね。
絶望から希望へとあなたを連れて行ってくれる、はずですから。

よろしくお願いします。
ときめきのヘッドライナー [CD+DVD]<限定盤>続きを読む
ラベル:Negicco
posted by なんくい at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽とは | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする