2013年12月10日

新企画「ミューズのみめぐみ」始めます

私は音楽が好きすぎて、良い音楽を愛でるだけでは飽き足らず
いわゆる「笑える」音楽も大好物なのであります。

その「笑える」音楽にも2種類ありまして、1つは作り手が笑わせることを
意図してできた音楽。これはコミックソング(より広くはノベルティソング)
でして、これもいつかは特集したいのですが。

もう1つは作り手の意図とは別に、そういう意味合いが出てきてしまった、
そんな愛すべき曲。この手の楽曲も色々なところで好事家がおりまして。
色々な紹介のされ方をしておるようです。「幻の名盤同盟」とか。

最近では伊集院光さんが「おバ歌謡」と名付けて紹介していましたが、私は
さすがに「おバカ」と呼ぶ度胸もありません。そこで他の呼び名を探していたのです。

私の妄想では、そういった楽曲は音楽の神様のいたずらで生まれたもので、
後でそれを聴く私達は、そんなミューズ(=音楽の神)の与えたもうた「みめぐみ」
に感謝しながら聴かなければならない。そう考えて「ミューズのみめぐみ」と
題しました。

それでこの新企画では、毎回1曲を取り上げて、その魅力を語り倒す、という
スタイルで行きたいと考えております。ミューズのみめぐみを愛でまわす、
愛撫しつくす。そんな気概で望みたいと。(←何、力入ってるんだ?)

ですが、そんな形式で書くために、どうしてもネタバレ的になってしまう。そこで
事前に曲を告知しますので、大変恐縮なのですがそれまでに聴いてきて欲しいのです。
ここで取り上げる曲は古いのが多いでしょうし、曲の性質上YouTubeに公式の音が
貼られることは先ずないでしょうから。このブログの方針として「違法なものは
貼らない」という主義ですので。大変申し訳ない。

その代わり、この企画は毎週1回、火曜日の午後8時に更新と決めさせて頂きます。
こういう連載を義務化するのは実は避けておりまして、ブログを長く続けるには
締め切りとか義務とかを設けると苦しくなってダメだと教わったので。ですが
1つくらい例外があってもいいでしょう。週1ですし。書き溜められるネタですし。

というわけで、来週12/17に愛撫する「ミューズのみめぐみ」は東京ビートルズの
「抱きしめたい」です。簡単に音は見つかるはずですので、是非聴いておいて下さい。
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2013年12月17日

ミューズのみめぐみ#1 東京ビートルズ「抱きしめたい」

先週予告した「ミューズのみめぐみ」の第1回です。この企画は
音楽の神様ミューズのいたずらによって生まれた愛らしい音楽を
愛でまくろう、という趣旨のコーナーです。くわしい趣旨はこちら

記念すべき第1回は東京ビートルズの「抱きしめたい」です。聴いたことの
ない方は、これからネタバレを思いっきりしますので、先に聴いてください。
(大変申し訳ないですが貼ることはできないので)http://www.youtube.com/

聴いていただきましたか。笑いすぎておかしなことになっていないでしょうか。
私はもう何百回も聴きましたが、今でも笑わずに聴く自信はありません。

私がこの東京ビートルズを知ったのは高田文夫先生の「ビバリー昼ズ」から。
そこへ大瀧詠一さんがゲストに来てこれを聴かせたところから復刻盤の発売に
至るわけです。当時のビバリーは今でいうタマフルみたいな発信力があったんですね。

これを紹介したのが大瀧詠一さんですから、彼の手による詳細な解説がありまして。
そこで音楽的な面白さの解説は尽きているとも言えるのですが、唯一あまり解説していない
この「抱きしめたい」を今回愛でまくろうと思います。

この曲の魅力は何といっても「声」ですよね。1964年にビートルズが大ヒットしているから
便乗しようとして、そこら辺の若者を集めて出来た、とのことですが、そこら辺の若者を
集めてみんなこんな声。というのが「時代」を感じさせますよね。今そこら辺の若者を
集めて歌わせたらジャニーズみたいな声になると思うんです。一人一人が個性的なSMAPで
さえ、集団で歌えばジャニーズみたいになりますよね。それが、当時の若者の平均値が、
今でいう出川哲郎さんみたいな声。(出川さんはその声が芸人としての価値を高めている
わけですが)当時と一体何が変わったのでしょうかね。食べるもの?

その出川ヴォイスで毎回シャウトされるたびに笑線が刺激される。反則技ですよね。
その魅力を増しているのが、歌詞の合わなさ。1964年と言えば、まだ日本語ロック論争
なんてものもない時代。スキルとかの蓄積も全くない時代に、真正面からぶつかった。
だから、まんまの歌詞で(別に笑わせようとは思ってないですよね。でも「それはない
だろう」と今日では思える歌詞の載せ方)ダサさを強調してしまうのです。
今日ビートルズをカバーするときには訳しちゃいけないらしいんですけども、それって
この東京ビートルズのトラウマがあるからではないか、と勘ぐっちゃいます。

プラス、音楽的にもビートルズを台無しにする要素が満載。サウンドも時代がかってます。
畳の上で紋付はかま着てダンスしているみたいな。おまけにBメロに入るところのDmin7
のコードがD7/Aというコードになっていて、ドミナントのマイナーの効果(借用和音の
ところで詳しく解説しますが)がなくなってしまい、おまけに4小節目もほぼ同じコード
だから、繰り返しのところで同じコードが続く、という相当ダサいことになってしまう。
とどめはコーラスに戻る前のシンコペーションのフレーズも表拍に戻されてしまっている!
(♪オレさ〜のところ)亀田校長もびっくりでしょう。

ビートルズの「I Want To Hold Your Hand」を知らない人はいないでしょうが、もし
ちゃんと聴いたことがなければ是非聴き比べして頂きたいです。味わいが深まります。

今回はこれくらいで終わりにします。次回は12月24日に更新予定。曲はチューリップの
「虹とスニーカーの頃」を取り上げる予定です。
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2013年12月24日

ミューズのみめぐみ#2 チューリップ「虹とスニーカーの頃」

「ミューズのみめぐみ」の第2回です。今日はクリスマスイブですが、
休まずに営業します。クリスマスの予定がないロンリー・ボーイズ&ガールズ
のために、ほっこりした笑いをお届けしたいと思います。

ちなみにこの企画は音楽の神様ミューズのいたずらによって生まれた愛らしい
音楽を愛でまくろう、という趣旨のコーナーです。くわしい趣旨はこちら

今回取り上げるのはチューリップの「虹とスニーカーの頃」です。聴いたことの
ない方は、これからネタバレを思いっきりしますので、先に聴いてください。
(大変申し訳ないですが貼ることはできないので)http://www.youtube.com/

聴いていただけましたか。チューリップは非常に有名なグループでして、このブログ
の「歌謡曲探求」の連載でも取り上げる予定でいます。意外と硬派なロックリスナー
にファンが多いんですよ。くせになる音楽性を持っているんでしょうね。

そのチューリップの代表曲であるこの曲。大好きな人も多いでしょう。そんな名曲の
どこがみめぐみミュージックなんだ、と怒り心頭で読んでいる方もいるかも知れません。
あのー、この曲笑えるとか言っているのは私なんくいの変態的な耳の産物です。
寛大に構えてもらえれば有り難いです。

この曲のみめぐみポイントはズバリ「世界一シンプルなギターソロ」にあります。
この曲はサビ始まりなのですが、そのサビからAメロに移行する間の8小節のうち
7小節でリードギターがほぼワン・ノート。ずっとAの音を弾いているんです。
途中一箇所だけ半音下のG#になっていますが(そこもまた趣深い。ずっとAなら
かえって実験的な色彩も生じたでしょうに)ずっとAで通すんですよ。

一応ギターの音もフェイザーか何かで音色を変えたりしているのですが。
この曲が発売された1979年はもしかするとエレキギターがまだ目新しくて
その音色の変化だけでインパクトがあったのかも知れませんが。今のリスナーは
エドワード・バン・ヘイレンやスティーブ・バイのギターソロを聴き慣れている
わけですから、どうしてもその比較で聴いてしまうんですね。
速弾きギターソロが豪華な打ち上げ花火だとすると、「虹とスニーカーの頃」の
ギターソロは線香花火…いや違うな、本物の線香に例えられるわびしさ。
(一応この曲の名誉のために言っておくと、途中でちゃんとしたギターソロも
 あります。速弾きではないですが、3度の重音でフレーズを弾いたりしてます)

実際、選曲大喜利のような企画で「ギターソロ対決」があったら、この曲に勝てる曲は
ないと思うんです。「日本にはわび・さびという文化があります。その美学を体現した
究極にシンプルなギターソロです」と言われちゃ、誰も勝てないでしょう。

ギターソロと言えば最近エアギターなんてものが流行っていて、ダイノジの大地さんが
世界一になったりしていますが、大地さんがこの曲でエアギターをされるとどうなる
のだろう、とあれこれ妄想するのも楽しいです。

YouTubeではチューリップのコピーバンドがたくさんあって、この「虹とスニーカーの頃」
もたくさんカバーされていますが、この部分のギターソロはコードを弾いていたり
(単音のワンノートでなく)して「ちっとも分かってないなあ!」と理不尽な怒りを
抱いてしまったりします。イントロの変わった入り方はライブバージョンを再現してたり
するのに。(ちなみに本家チューリップはライブでもワンノートです。エライ!!)

この曲自体、独特の翳りを持つまごうことなき名曲だと思うのですが、いやはや
ミューズは非常に気まぐれで、こんなところにまでいたずらを仕掛けるんですね。
というのが今回の結論になるでしょうか。ファンの方気を悪くされないでね。

次回は12/31に更新予定。大晦日でもやりますよ。曲は松平健さんの「マツケンサンバ」
を予定しています。主にIIを取り上げる予定ですが、出来れば全部I〜IIIまで
聴いておいて頂ければ楽しめると思います。
ラベル:チューリップ
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2013年12月31日

ミューズのみめぐみ#3 松平健「マツケンサンバ」

「ミューズのみめぐみ」の第3回です。今日は大晦日ですが、休まずに営業します。
今年の当ブログの最後の記事です。これで〆るのも不思議な気分ですけどね。

ちなみにこの企画は音楽の神様ミューズのいたずらによって生まれた愛らしい
音楽を愛でまくろう、という趣旨のコーナーです。くわしい趣旨はこちら

ちなみにこの企画は思いっきりネタバレするので、先に曲を聴いていただきたいと
思います。もっとも今回の曲を聴いたことない人は先ずいないでしょうけども。
念のためにhttp://www.youtube.com/

今回取り上げるのは松平健さんの「マツケンサンバ」です。大晦日にふさわしく、年忘れ
の雰囲気にピッタリの曲ですよね。実はかの「マツケンサンバII」がテレビで初公開された
のが2001年の大晦日で、テレビ東京の「年忘れにっぽんの歌」だそうですが、私これを偶然
見ておりまして。人はあまりの衝撃を受けると固まってしまう、というのを身をもって体験
しました。いきなり何の情報もなく「あれ」を見たわけですからね。

というわけですから、2004年にブームが始まった時もすでに知っておりました。というより
あの衝撃を鮮明に覚えておりましたので、事あるごとに「マツケンサンバ」の衝撃を人に
語っていたわけですよ。ですからいよいよ発売となった時も「すごいのが出るぞ」と方々に
宣伝して回っていたくらいでした。

最初の頃は、そういうわけでカルト的な人気を博していたわけですが、いろいろな所で
取り上げられるようになり、だんだんと国民的なブームになっていくわけです。
私がもう国民的なブームだなあと痛感したのが、小学生が老人ホームの慰問でマツケン
サンバを踊ったなんて話を聞いたときです。もはやウケ狙いでなく楽しんでもらう
題材になっていた、ということですからね。

マツケンサンバが国民的なブームになったのは、もちろんインパクトもさることながら
楽曲のよさもあるでしょう。ディミニッシュコードを効果的に配したグッと来るコード
進行。そして豊かな勾配を持つアゲアゲのメロディライン。あの暴れん坊将軍でおなじみの
時代劇の二枚目スターが金ラメの和服にちょんまげでサンバを歌い踊る、という要素を
抜きで聴けば、ふつうにイイ曲かも知れません。歌詞はかなりツッコミ所ありますが。
(ところでトマパイの「踊れカルナヴァル」のタイトルはこのマツケンサンバの歌詞から
 取ったのでしょうか? ジェーン・スーさんに確かめたいですね)

このマツケンサンバは1994年ごろから彼のショーで歌われていたそうです。その前にも
「マツケン小唄」「マツケンでGO」「マツケンマンボ」などシリーズがあり、
その一環として作られた中での人気曲だったようです。2004年にリリースされたCDには
そのうち「マツケンでGO」「マツケンマンボ」もカップリングで入っていたのですが、
「マツケンマンボ」は聴き所満載。全然マンボでないこと(イントロが「マンボNo.5」?)
最初のサビメロの音数の少なさ(4小節で8音)がわびしさを感じさせること、Dminor
からDmajorに転調するところ(個人的には戻るところが何とも言えずわびしくて好き)
等々。「マツケンサンバI」も実はこの「マツケンマンボ」の第2弾みたいな曲でした。

この「マツケンサンバII」の大ヒットを受け、続編の「マツケンサンバIII」も
作られたのですが。これも正しく「II」の2番煎じ的な出来。これこそ大ヒットの
後に出る曲の王道ですよね。ただ「II」と比べて余裕を感じさせるゆるやかな
作りになっています。実は1回曲が終わった後に、健さんが「ワンスモア」と
叫んでリプライズが始まるのですが、そこでちょっとグッと来てしまいました。
「マツケンサンバ」の主役は聞き手のみんなだ、と言われているような気がして。

松平健さん。このブームが去った後もシリーズは続いているようで、最近は
こういうキワモノも出しています。(これは公式PVを貼れる)


自らプロデュースするカレーのタイアップ企画らしいですが、おそらく「ムトゥ」の
パロディと思しき作りで、かなり忠実に再現できていますよね。歌詞も「シバの神」
に言及したりと、相変わらずの言葉のセンスなのがうれしいです。
(八百万の神って要は宗教的に節操がないという意味ですから。神社にヒンドゥー起源の
 神が平気で祭られている国ですからね、日本は)
この人、どこまでが確信犯でどこまでが天然なのか読めないところがありますが、
根底には「皆様に喜んでいただきたい」という真っ当なエンターテイメント精神が
あるので、こちらも安心して笑って楽しめる逸品になっていますよね。

次回はこれも大物、小林旭さんの「宇宙旅行の渡り鳥」を愛でまくる予定です。
これもネタバレしますので、先に聴いておいてくださいね。
ラベル:松平健
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2014年01月07日

ミューズのみめぐみ#4 小林旭「宇宙旅行の渡り鳥」

「ミューズのみめぐみ」の第4回。新年1発目です。今年もよろしくです。
一緒に面白い音楽を愛でまくりましょう。

ちなみにこの企画は音楽の神様ミューズのいたずらによって生まれた愛らしい
音楽を愛でまくろう、という趣旨のコーナーです。くわしい趣旨はこちら

ちなみにこの企画は思いっきりネタバレするので、先に曲を聴いていただきたいと
思います。そういう企画なので。(大変申し訳ないですが貼ることはできないのです)
http://www.youtube.com/

今回取り上げるのは小林旭さん。新年にふさわしい超大物ですね。この人はいわゆる
「素材の人」だと思うのです。規格外の人ではあるのですが、いわゆるセルフ・
プロデュースが出来る人ではないのでしょう。ですから大名曲もあれば「なんでこんな
もの出したんだ」と首をかしげる迷曲も数多く残しています。実は「アイム・ア・
ホッカイドー・マ〜ン」という曲があったと記憶しているのですが、これがいくら
探しても見つからなくて。誰か知りませんかね?

この人の当たりシリーズに「渡り鳥」シリーズというのがありまして、代表的には
「ギターを持った渡り鳥」です。その究極形と言える「宇宙旅行の渡り鳥」………
宇宙まで行ってしまいましたよ。これはもう、やらかしてる予感プンプンですよね。
この曲の正しい鑑賞法としては、すぐ曲を聴いてしまうのでなく、しばしこの予感に
身を委ねることですね。遠足の前の日的なわくわく感が堪能できますよ。

そしてイントロから歌い出しまで、その「遠足の前の日状態」をさらに増幅させる
見事な展開。トランペットで引っ張るイントロ、歌い出しの歌詞。完璧でしょう!

そしてBメロからいよいよ本題、ということですが、いきなり何故宇宙に飛び出した
のか。の結論をお歌いになられます。そうか、全部バイバイしたかったんだね。でも
最後の「バイ」のところが少々ヤケクソっぽく聴こえるのは気のせいなんでしょうか。

その次のところは意味不明。宇宙語のつもりなんでしょうか。一応「バイバイ」の「バ」
を受けているんでしょうけども。その次のモーリス信号。ちょっと演歌入った曲調との
ミスマッチも関係なしに曲は進んでいきます。個人的にツボにはまったのは「トツート」
とシンコペーションになるところ。ずっと同じ信号じゃおかしいですからね。

というふうに、もはや歌詞であることを放棄しているような歌ですね。作詞家の人は
これで印税もらったんでしょうか。私がプロデューサーなら怒りのあまりテーブルを
叩き割ってしまうかも知れません。こんなんなら作詞頼まんと。旭さん本人に
好きに歌わした方がいいのでないか、と。いや、もしかすると旭さんが適当に歌って
いるのかも・・・・・・なんて妄想を繰り広げたりして。一つ分かっているのは
意味不明の言葉を歌わして一番サマになるのが小林旭さんだということ。もっとも
意味不明語を歌うなんて代物、他にほとんど見当たらないので、比較対象が殆ど
ないのが心もとないところですが。

というわけで今回は小林旭さんの「宇宙旅行の渡り鳥」をお送りしました。次回は
仲村トオル&一条寺美奈「新宿純愛物語」を予定しています。あらかじめ聴いておいて
くださいね。いつものことで申し訳ないのですが。
ラベル:小林旭
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2014年01月14日

ミューズのみめぐみ#5 仲村トオル&一条寺美奈「新宿純愛物語」

ミューズのみめぐみも第5回を数えます。予定では50回くらい
やろうかと思っているのですが、早速その1割に行きました。順調です。

ちなみにこの企画は音楽の神様ミューズのいたずらによって生まれた愛らしい
音楽を愛でまくろう、という趣旨のコーナーです。くわしい趣旨はこちら

ちなみにこの企画は思いっきりネタバレするので、先に曲を聴いていただきたいと
思います。そういう企画なので。(大変申し訳ないですが貼ることはできないのです)
http://www.youtube.com/

今回愛でまくるのは、仲村トオル&一条寺美奈「新宿純愛物語」という曲です。
聴いていただきましたか? 早速行きますよ。

この「ミューズのみめぐみ」の中でも主要なジャンルの中に「歌ヘタもの」というのが
あります。何と言いますか、歌が・・・というものの中に、非常に愛らしいものが
存在するわけですね。歌が下手だと音楽を壊しますから、普通は腹立たしく思えるもの。
ところが、その歌下手が臨界点を超えると、とたんに笑いを生む代物になるのが不思議
なものですよね。

そして今回の仲村トオルさん。言わずと知れた二枚目俳優ですよ。当時は「BE-BOP
ハイスクール」での不良役で人気が爆発していた時期で、硬派なイメージを持っていた
わけです。今はかなり幅広い役をされているみたいですけどね。

そんなカッコイイ仲村トオルさんの歌がどうかというと・・・・・・だったわけです。
そのギャップもみめぐみポイントの1つ。相方の清水宏次朗さんが「パラダイス・イン・
サマー」などでカッコイイ歌を聴かせているのと対照的です。

そしてこの曲。デュエットなんですよね。相手の一乗寺美奈さんは映画で共演した
相手でして、この曲はその映画の主題歌なんです。なんでもこの一乗寺さんは
映画のオーディションに合格して仲村トオルさんの相手役に抜擢されたとか。
この一条寺さんもダブルで・・・なんですよね。声が高い感じなんですけども。
何か貧乏くさいというか何と言うか。

ちなみに一条寺さんはこの映画だけの芸能活動だったそうで、この後現役で早稲田大学に
合格されたという才女だそうです。ですから「貧乏くさい」というのはあくまでもこの
歌の中だけの話ですけどね。

話を戻しますと、このダブルで歌下手というのも狙いだったのではと勘ぐっちゃいます。
もし相手役の女性が上手だったら仲村さんの歌も際立ってしまったかも。と考えると
オーディションでわざと歌下手な人を選んだのかも知れないですね。

仲村さんは歌が下手なのを自覚しておいでで、当時からラジオなどで自らネタにして
いたそうなんです。まあ当時は男性も女性も主役級の人は歌を歌わなければならなかった
時代でしたから。歌の上手下手は関係なしにみんなレコードを出していたんですよ。
だからこそ、こうやって後世楽しめるものになっているわけですけどね。

曲調の話に行きましょう。この曲、なんというかムード歌謡という曲調ですよね。
なかなかキレイなメロディで。歌が下手な人がキレイなメロディを歌うと悲惨なことになる
という見本のような曲ですね。しかもデュエットということでかけ合いもあったりして。
そこも実に味わい深い。平安時代では「をかし」と言っていたところでしょう。

当時の仲村トオルさんのイメージなら、ロック調の激しい曲にして、勢いでごまかす
ということも可能だったと思うのですが、歌唱力が必要なムード歌謡に正面から
挑んで・・・撃沈。その撃沈っぷりも清々しいですよね。

そして。この仲村トオルさんの声。歌下手の中にも人のよさが現れているのもポイント。
今日では彼の性格のよさは広く知られているところですが、当時はツッパリ役ですからね。
硬派で鳴らした彼が「ああ、いい人なんだ」と感じさせる歌下手っぷり。絶対当時
イメージが壊れたと思うんですよね。よく事務所は止めなかったよな。

以上。今回も堪能していただけましたでしょうか。仲村トオルさん。天はニ物を与えな
かった例でした。次回は森脇健児さんの「真秋のファンタジー-Baby, Want you!-」です。
実は「真夏のFANTASY」「真冬のラプソディー」と比較するので、出来れば3曲聴いて
おいていただけると有り難いです。毎回大変申し訳ないです。
ラベル:仲村トオル
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2014年01月21日

ミューズのみめぐみ#6 森脇健児「真秋のファンタジー-Baby, Want you!-」

毎週火曜日は「ミューズのみめぐみ」のお時間です。このブログ、次に
何の記事を書くかは筆者のきまぐれでして、その時々の都合でいろいろ
変わりうるのですが、火曜日に「ミューズのみめぐみ」をUPすること
だけは決まっています。(実際は予約投稿してるんですが)

この企画は、音楽の神様ミューズのいたずらによって生まれた愛らしい
音楽を愛でまくろう、という趣旨のコーナーです。くわしい趣旨はこちら

ちなみにですね、思いっきりネタバレするので、先に曲を聴いていただきたいと
思います。そういう企画なので。(大変申し訳ないですが貼ることはできないのです)
http://www.youtube.com/

今回愛でまくるのは、森脇健児「真秋のファンタジー-Baby, Want you!-」です。
私の手元には今、この曲のCDシングルがあります。今は売っていない8cmの短冊のやつ。
(この画像をお見せしたいのですが、Amazonなどで公表されていない。うかつに撮って
 載せると著作権法違反だしなあ。これも各自調べていただけると有り難い)
このシングルは友達が誕生日にプレゼントしてくれたものです。当時「みめぐみ」なんて
言葉を使ってはいませんが、こういうのが好きだろうということで贈ってくれたのです。
半分嫌がらせの意味もあったりしたんですけどね。こーゆうのニュアンス伝えるの難しい。

この曲のことはその時に初めて知ったのですが、森脇健児さんのことは知ってました。
ええ。関西人ですから。いや関西人でなくても、90年代の初頭はフジテレビなどで森脇さん
はバラエティーの次代のエースとして、一世を風靡されていたのでした。この曲もその
当時のバラエティ「夢がMORIMORI」の主題歌として発売されたものでしたし。

といってもこの曲を贈られたのはそれから何年か経ってからで、すでに森脇さんの存在も
香ばしい香りをかもし出す頃になっておりました。森脇さんの下で不遇をなめていた
SMAPが国民的アイドルとしての歩を固めつつあった時期でして。失礼ながらたっぷり
笑わせてもらったことを思い出します。

ちなみに今や国民的ユニット、ゆずの北側悠仁さんのフェイバリットだそうで(当然
みめぐみ的な意味合いで、ですけど)ラジオでさんざんネタにしていた、とのことです。
それでこの曲を知っている人もいるかも知れませんね。

この曲の魅力は、とにかく中途半端!!! 中途半端というものがこれほどの輝きを放つ
なんて、ミューズも粋ないたずらをするものです。

森脇健児さんってお笑いですから面白い人でありながら、ちょっとアイドル的な人気も
あった人なんですよね。明石家さんまさんのような、ちょっと3枚目入った人がモテる
という、今にも通じる流れがあって。そのセンを狙っていたわけですよ彼は。

そのため、音楽で笑いも取りたい。それと同時にトシちゃん(田原俊彦さんを意識
していたのは間違いない)のようなカッコイイ路線も踏襲したい。そんな二兎を
追って結局一兎も追えない、という道徳の教科書のような末路を辿っていらっしゃる。

先ずパロディが寒い。おそらく平松愛理さんの「部屋とYシャツと私」とか
さだまさしさんの「関白宣言」をパロっているのだろうけども、ただそれに
まんまアンサーしました、というだけで、芸がないですよね。というより単純に
不愉快だろう女の人は。と言いたくなる歌詞。(太って〜のくだりなんて最低
でしょう。ギャグとしてもイケてないし)

それにトシちゃんやマッチ(というのも当時としてはそろそろ引用元として古い
ですよね)のマネしてカッコよくしようというのも見事に空振り。歌が下手なのも
中途半端。めっちゃ下手ならまたそれなりに突き抜けているのでしょうけども。
また下手なのも「トシちゃんも下手だしいいでしょ?」くらいの中途半端なノリで。
それもまた痛いんですよ。

ところでこの「真秋」という言葉。ヘンだと思いませんか?何か狙っているのでしょう
が、それが何かは意味不明で。ところがその意味がこの間判明致しました。この曲、
実は第2弾なんですよ。これの前に「真夏のFANTASY」という曲を出しておりまして。
それも聴いてみました。するとこれが、なかなかハマってるんですよ。相変わらず
そんなに面白くはないんですが、バラエティ・アイドルとしての森脇健児の輝きを
確かに閉じ込めてはいる。織田哲郎さんのペンによる曲もいいなあ、なんて思ったり。

いや決して「真秋のファンタジー」がつまんない曲だと言っているわけではない
んですよ。これもなかなかの好曲ですけども、それがイタさをよけいに駆り立てる。
一方でカップリングの「真冬のラプソディー」はもはや笑えなくて、痛々しさが
際立ってしまう。これも曲はいいんだけども、それがわびしさを引き立てていて…。

おそらく「真夏」の頃は確かにバラエティ・アイドルとして旬の時期だったのでしょう。
それが翳りが見え始めた時期の「真秋」だったのでしょう。そしてその後の「真冬」の
時代を予感させるカップリングと。完璧じゃないですか! つまりこの「真秋の〜」は
我らが愛する森脇健児さんの絶妙たる中途半端さを閉じ込めた、貴重な音源として
有り難がるべきなんです! って何を力説してるんだろう俺。そこまでアツく語るべき
もんでもないだろ! 「プっ」て鼻で笑うくらいがちょうどいいくらいの。

最近また、テレビでお見かけするようになってきました森脇さんですが、一種独特の
ポジションを築きつつあるのでしょうか。これから再ブレイクなんてことはないでしょう。
ですがその「中途半端」さに磨きをかけて、我々を末永く楽しませてもらいたいものです。

次回のミューズのみめぐみは海外の大物に行きますよ。David Bowieの「Girl」の
Japanese Versionです。これもあらかじめ聴いておいてもらえればと思います。
毎回すみませんです。
ラベル:森脇健児
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2014年01月28日

ミューズのみめぐみ#7 David Bowie「Girl Japanese Version」

毎週火曜日に楽しくお送りしております「ミューズのみめぐみ」ですが、
今週はちょっと気が進みません。というのも今回取り上げるDavid Bowie御大の
最新アルバムに非常に感動いたしまして、それを記事に書きましたけども。

いや、まあ「それはそれ、これはこれ」と割り切ってしまえばいいのですが
(だいたい一人のアーチストにもいろんな側面があるわけですからね)前の
記事が壮大なネタフリみたいになってしまっているのではないか、なんて
思ってしまいます。いや、実際すごく良かったんですよ最新アルバムは。
と釘を刺しておいて、今回は言い訳がましくスタートです。

この企画は、音楽の神様ミューズのいたずらによって生まれた愛らしい
音楽を愛でまくろう、という趣旨のコーナーです。くわしい趣旨はこちら

ちなみにですね、思いっきりネタバレするので、先に曲を聴いていただきたいと
思います。そういう企画なので。(大変申し訳ないですが貼ることはできないのです)
http://www.youtube.com/

さて、今回愛でまくるのはDavid Bowieさんの「Girl Japanese Version」です。
新作も素晴らしかったボウイさん、言わずと知れたロック界の大御所でございます。
ビジュアル系の元祖とも呼ばれるなど、日本の音楽界への影響も多大です。
何と言っても「ジギー・スターダスト」に代表されるように、アルバムごとに
キャラクターを変え、音楽性も変え、変幻自在に表現世界を広げていった
70年代の活動は、ロックの歴史に燦然と輝く金字塔と言えるでしょう。

また先ほど「ビジュアル系の元祖」という言葉を使いましたが、派手なメイクなど
ビジュアル面でも先鋭的でして、その端正なルックスと相まって、女性のミーハーな
ファンも数多くおられる、とのこと。ボウイ様に身も心もとろけそうな婦女子の方も
たくさんおられることでしょう。

そんなデビッド・ボウイ様が日本のファンのために、特別に日本語でお歌いになる!
そんなニュースを聞くだけで「やめてくれー!!!」というファンの悲鳴が聞こえて
きそうです。そんなファンサービス、いらーーん!!!!!

欧米のミュージシャンっておそらく、たどたどしい日本語で歌うことで非常に香ばしい
ものに(少なくとも日本人には)聞こえてしまう、ということに無自覚なんでしょう。
そのような珍品は数多く、それ専門に収集する好事家もいらっしゃると言います。
(この連載でもいくつか紹介する予定です。あと1〜2曲程度ですけども)
そういう事実を、知らないんでしょうねえ。(他の外国ではどうなんでしょうか?)

ちなみに私、この曲を初めて聴いたのが高校生の頃でして、当時不覚にも笑ってしまった
ことを覚えております。「笑っちゃいけない」と思いながら。当時はまだみめぐみの概念に
目覚めていない時分でしたから。(その後ほどなくみめぐみ的聴き方を知ることになる)

では問題のその曲を聴いてみましょうね。歌い出しは「Girl」という英語ですが、その
後の日本語からいきなりやってくれます! 日本人は素直に発音すればいいのに、と
考えてしまいますが、ボウイ様の日本語が非常にもって回った発音というか。何か
「とぅぉつずぇん」みたいな。ちょっと大げさか。でもいきなりレコードの回転数を
間違えたのではないか、という(この部分の音程が低いのもありますが)放送事故
レベルのおかしさ。なんですよね。

その後、歌い進めるとなんだか上田正樹さんみたいな声に聞こえるんですよね。そう
言えば上田正樹さんもどこかたどたどしい発音だなあ、なんて思わぬところに飛び火
してしまう。(まあ上田さんの母語は関西弁ですからね)

ただ不思議なのは、2回目の「とつぜん」は結構フツーの発音なんですよね。もしかして
途中で日本語が上手くなってる? でもその後の発音ではおかしくなっていたり。要は
日本語の「ア・イ・ウ・エ・オ」にあたる母音が英語にはそれぞれ複数あるから、発音が
一定しないんですよね。だから予測もしない聞こえ方をして笑えてしまうというか。

曲は静かなバラード調からビートが入り始め、ねじれた転調をしながら高揚していく
という曲調で、もしかしてちゃんと英語で歌っていたら感動していたかも知れない
なかなかの名曲。だからこそ、たどたどしい日本語によるぶち壊しっぷりも際立つ。

あと、譜割りも面白さの要因なのかな。英語と違って日本語はベタベタなリズムですから。
それに加えてボウイ様が感情を込めてちょっとディレイ気味に歌うでしょ。それが、
まるで歌が下手な人のたどたどしい歌声と重なって聞こえるのかな。私、欽ちゃんの
ずっこけを想像してしまうもん。(相当古いネタですみません)

これが小物のアーチストでなく、よりによってスーパースターのデビッド・ボウイ様が
やってしまうから、ギャップ萌えという面もあるのでしょう。まあファンの方もこれを
笑える心の余裕を身につけたいものです。アナタの好きなアーチストもいつこのような
作品を出すか分からないですからね。(私もいくつかあります。おいおい紹介しますけど)

次回は反対に日本人の洋楽カバーに参りましょう。内山田洋とクールファイブの
「イエスタデイ・ワンス・モア」です。これもあらかじめ聴いておいてもらえればと
思います。毎回すみません。
ラベル:David Bowie
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2014年02月04日

ミューズのみめぐみ#8 内山田洋とクールファイブ「イエスタデイ・ワンス・モア」

ミューズのみめぐみ。今回はやや小ネタです。そう毎回、ゲラゲラ笑える
ものを用意しなくても、というわけで、今回はニヤリとするくらいの、いや
心がほんわかするくらいの、ほっこりとした笑いをお届けします。そういうのも
いいでしょ?

この企画は、音楽の神様ミューズのいたずらによって生まれた愛らしい
音楽を愛でまくろう、という趣旨のコーナーです。くわしい趣旨はこちら

ちなみにですね、思いっきりネタバレするので、先に曲を聴いていただきたいと
思います。そういう企画なので。(大変申し訳ないですが貼ることはできないのです)
http://www.youtube.com/

さて、今回愛でまくるのは内山田洋とクールファイブの「イエスタデイ・ワンス・モア」
でございます。内山田洋とクールファイブというとあの前川清さんの強烈なコブシを
連想するでしょうが、この曲でリードボーカルをとっているのは小林正樹さんという
いかつい顔の人です。もみあげがすごい人というと見分けがつくかも知れません。
そして「イエスタデイ・ワンス・モア」とはご存知カーペンターズの代表曲です。
あれを日本語でカバーしています。

という前情報を聞くととんでもない珍品を想像して期待値が高まるかも知れませんが、
今回それほどでもありません。クールファイブはコーラスグループとしてしっかりして
いますし、音楽的には確かなんですよ。そもそも前川清さんじゃないしね。

では、その問題のモミアゲ小林さんの声ですが、顔に似合わず(失礼!)優しい声を
されているんですね。でも何というか、以前東京ビートルズでも考察しました声質の問題。
あれと違って歌はお上手なんですが、アノ声なんですね。それで洋楽を歌われても…
という、純和風の声。それとカーペンターズのメロディが絶妙のミスマッチなんですね。

カーペンターズのこの曲ですが、どうやら日本語との相性が絶妙に悪いらしいのです。
実は私、かくし芸としてこの曲をわざと日本語英語(カタカナ英語)で歌うということを
時々やるわけですが、これを他の曲で試しても、あんまり笑えないんですよ。いや
少しは笑いが取れるのですが、この曲には敵わない。それはカーペンターズの持つ
音楽的な奇跡のバランスが崩れてしまうからなのでしょう。そして崩れたときの惨事
っぷりも半端ないという。

その証拠に歌詞(訳詩?)をご覧下さい。非常にいいんですよ。
イエスタデイ・ワンス・モア

いかがですか。非常に良くできた詞なんですよね。ちょっとグッと来るぐらい。
でもそこはかとなく笑えてしまうのは何故? それは原曲が悪い(良すぎる?)から。

そう考えると、そんな大惨事が待ち受ける曲に果敢に挑み、ほっこりと笑えるレベルにまで
まとめ上げたという意味ではクール・ファイブは大健闘と言えるのではないでしょうか。
モミアゲ小林さんというチョイスも、しみじみと嫌みなく聴けて、安心して笑えてちょっと
泣ける、そんな好ましい楽曲に仕上がっていると思いますね。

でも、そもそも日本語にして歌うべきではない曲、なんでしょうけども。

次回は海援隊の「母に捧げるバラード」を取り上げます。有名な曲で聴いたことがある
方も多いでしょうが、一度ちゃんと全部聴いてみてください。びっくりしますよ。
毎回申し訳ないですが、事前に「予習」して頂きたいと思います。
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2014年02月11日

ミューズのみめぐみ#9 海援隊「母に捧げるバラード」

ミューズのみめぐみも第9回。今回は有名曲が実は…シリーズになります。
この企画は、音楽の神様ミューズのいたずらによって生まれた愛らしい
音楽を愛でまくろう、という趣旨のコーナーです。くわしい趣旨はこちら

ちなみにですね、思いっきりネタバレするので、先に曲を聴いていただきたいと
思います。そういう企画なので。(大変申し訳ないですが貼ることはできないのです)
http://www.youtube.com/

今回愛でまくるのは海援隊の「母に捧げるバラード」です。あの武田鉄矢さんの独特の
語り口。歌のほとんどがセリフという曲で、おなじみの曲ですよね。この曲は当然
知っていましたが、ちゃんとフルコーラス聴いたのはずいぶん後になってから。その時は
衝撃を受けました。こんな曲だったんだ・・・と。

この曲は歌詞が重要な意味を持つので、歌詞にリンクを貼っておきます。
母に捧げるバラード

この曲の形は、最初の方こそ武田鉄矢さんが母へ語りかける言葉なのですが、その後は
ずっとお母さんの言ったこと。方言を駆使してお母さんの独演会が繰り広げられます。
これはまあ、様々なモノマネされていますし、よくご存知ですよね。「このバカチンが」
という定番も、この曲から来ているわけですよね。

さてそのお母さんのセリフですが、いきなりずいぶん怒っています。ここのパートは
有名ですよね。なんでも息子(武田鉄矢)さんがフォークミュージックに狂ってろくに
勉強もしない。それどころか家(タバコ屋)の商売道具であるタバコをくすねて
まだ10代なのに吸っていると。(これは良くないですね。怒るのも仕方ない)

そしてひとしきり叱った後で、夢を追って出て行く息子へはなむけの言葉を贈るわけです。
どうやらここからいい話というか、母の教えが聞けるんだなあ、と語り口の変化で明らかに
分かります。ここからがこの曲のキモだな、と私達も身構えます。

その教えとは、とにかく働けと。一生懸命働くことが大事だと。そしてもし
休みたいとか遊びたいとか、そういうことを思ったら、その時は・・・と溜めます。
ここで「帰って来い」とか何か優しい言葉をかけるのかなあ、と思ったら、
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「死ね」ですよ。

「ええーーーー???? おら、し、死ぬんスかあ?????」と腰を抜かして
しまいました。休みたいとかちょっとでも思っただけでダメなんすか? 息抜きが
必要だと思うんスけど、それもダメすか? それにしても、それだけで死んでおわび
しなきゃなんないんですか? いくら何でもあんまりだよー! ところがこれには
深い訳でもあるのか、と思ったら、そこから何も説明はありません。ただそれが人生
だとかそれが男だとか決めつけるだけ。それのどこが人生なんスか?

最後には一肌揚げてこいみたいなことを言ってはいますけども「死ね」の衝撃の前に
もはや何も入ってきません。時代が時代とは言え、過激すぎますぅー!
もっとも母の教えって千差万別で、それこそ自分の息子にだけ通じればOKだと
思うんですよ。普遍的な正解というものはないのかも知れませんね。そういう意味では
この名物母ちゃん、武田鉄矢という不世出のタレントを輩出したという意味では
そのゲキも成功したと言うべきでしょう。ただ、まかり間違っても普遍的な母の愛とか
教育や道徳ではないでしょ。少なくともブラック企業がはびこる現在の日本ではアウト
ですよね。(ブラック企業がこの歌を推奨したりして)

この歌が当時どのように受容されたのかは知る由もありませんが、過去の名曲には
現在の価値観で聴けばびっくりするような曲があったりするものです。この曲は
その代表例と言えるでしょう。今なら発売されるのかすら怪しいでしょうしね。
(そういう意味では昔の方が牧歌的だったのかも知れませんね)

次回、記念すべき10回目はこの方面での有名曲、加山雄三さんの「小さな旅」を
予定しています。毎回申し訳ないですが、事前に「予習」しておいて下さいね。
ラベル:海援隊
posted by なんくい at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ミューズのみめぐみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする